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さきside
もう二度と学校に行かないと決めたのに
学校から送られてきたクラス割の私の二つ後ろに
「伊藤洋平」の名前を見つけた私はすぐに揺らいだ。
弱い私。
最後に一度だけ、一度だけ。
幸せになってもいいでしょうか。
クラスに入ると、ほぼ知らない人ばかりで、私のことは誰も見なかった。
それがなんだか清々しいとさえ思った。
でも、一点から集中する視線に私は答える。
間違うことなんてない、あなたの瞳。
私をみて驚くあなたに、いつものように話しかけた。
大丈夫かな。普通にできてるかな。
よ「あ、A、この子、さきちゃん。俺と2年時同じクラスだった子」
さっきまで話していた女の子に私を紹介してくれる。
さき「さきです。Aちゃんだよね？知ってます笑」
『え？なんで？』
さき「女バスのカッコいいキャプテン！」
有名人だよ、洋平くんくらいに。
洋平くんに褒められて嬉しそうな顔。
それから、ともたかくんも混ざってよく四人でいるようになった。
これ以上の幸せ、ないっていうのに、
私はどんどん欲深くなっていく。
Aちゃんは誰とでも、私とでも分け隔てなく接していた。
もちろんそれは洋平くんにも
Aちゃんが洋平くんを好きなのも
洋平くんがAちゃんが好きなのも
わかってしまうのは
私が洋平くんを好きだからだろうか。
Aちゃんの屈託のない笑顔が
誰とでも心から一緒に話せるところが
大好きで
憧れで
憎かった。
なんで、私がないもの、全て持っているの？
そして、洋平くんの気持ちまで持っていってしまうの？
そうか、簡単なことだ。
Aちゃんもキラキラ。
光っている。洋平くんの隣に相応しいひと。
私には到底座れない玉座。
ああ大好きで、憎たらしい。
私にできることはたった一つ。
罪悪感を抱えた洋平くんに、私の願いは断れないなんて
ずっと前から知っていて
ずっと前から見ないふりしていた。
汚い私から生まれた作戦は大成功。
欲に溺れて背負った罪は幾つだろう。
もう償えないなら、あとは落ちていくだけ。
たぶん、私は狂ってる。
欲しかったキラキラ光る、あなた。
手に入れたつもりで、きっと何一つ私の中には
ない。
それでもいい、いいの。君の瞳の中に一瞬でも映れたら。
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なぁ(プロフ) - ノアさん» ノアさんこんな古い作品を読んでいただいてありがとうございます…自分の中でかなり挑戦した話なので、そう言って頂けて嬉しいです… (2020年3月15日 23時) (
レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
ノア - これ……………………繋がってたんですね……ｳﾜｧ………………やられました、脱帽です、ありがとうございました。あなたの言葉の選び方、比喩、情景、全て大好きです。 (2020年3月15日 20時) (レス) id: 482604c455 (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - あああさん» 最後は本当に納得のいく作品を書きたくて、ゆっくり書いてしまっておりますが、どうか引退まで気長にお待ちください！本当にありがとうございます！！ (2019年5月3日 16時) (レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - あああさん» 初めて書かれる感想が私の小説であることを嬉しく思います泣 しかもこんなにたくさん…！！本当に嬉しいです！私の小説は私の経験2%くらい配合されておりまして、人生で印象に残ったシーンが度々出てきたりして、私の思い入れも強い作品が多いです！ (2019年5月3日 16時) (レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
あああ(プロフ) - 本当にありがとうございました。少しでもこの感情が伝わっていれば、、幸いです。また、こちらに戻ってくる日があれば楽しみにお待ちしております。では。(長文失礼致しました) (2019年4月29日 12時) (レス) id: 1b690e4942 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なぁ | 作成日時：2018年12月22日 5時
