Finale【 XYZ 】 (ページ3)

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男の人が扉を開けると、向こうにはピンク髪の女の子らしい人と、茶髪の男の人、薄黄色の髪の人がいた。

「そらるさん、その子誰」

「あー、なんか道端にいて流れ弾当たっちゃいそうだったから連れてきた。色々と訳アリっぽかったし」

“そらるさん”そう呼ばれた私を連れてきた青髪の男の人は、ピンク髪の女の子らしい人に「他の奴等呼んできて」と言った後、此方に向き直った。

「いざという時は俺が守るけど、俺が留守にしてる時、自分の身は自分で守れよ」

「 …？はい」

イケメンな顔でイケメンな台詞を放たれるが、後半言っていることは物騒だった。え、なに私ここでこれから殺されるの？？首飛ぶ？？

なんて考えていると奥のドアが開いた。そこには先程そらるさんと話していたピンク髪の女の子らしい人、それから白、黄色、赤色、藍色の髪の人がぞろぞろと入ってきた。みんな最初は興味なさそうに扉を潜ったけれど、私を見た瞬間にピン、と糸が張り詰めたような緊張した空気感になった。

「そらるさん、この子誰ですか」

白髪の、声が高くイケメンな人がそう言葉を発する。イケメンって睨むと怖いね。ひぇ。

なんておちゃらけている場合ではなく、その白髪の人が言った言葉を最初に、各々自由に口を開く。「そらるさんが子供誘拐してきた〜」とおちゃらけた言葉も聞こえてくる。

「こいつ、道端で突っ立ってて流れ弾受けそうだったしなんか訳アリっぽかったんで連れてきた。」

誘拐犯が言いそうな理由をつらつらと並べて話すそらるさん。一通り理由を話し終わると、此方に向き直って「そういやお前名前なに？」と場に似つかないふわふわとした眠そうな声でそう聞いてきた。

他の人達にも「名前知らなかったんですか！？」と驚かれている。

「で、その訳アリちゃんの名前は？」

赤髪の、見るからに服も顔も厳つくて威圧があるイケメンさんが私を諭すようにそう聞いてくる。こういうマフィアみたいな組織にそう安々と自分の名前を教えてしまっていいのか。とか考えたけれど、一応助けてもらった身だ。言うことに意味はあるだろう。

自分の中でそう結論付け、前にいる人達にすっと目線を合わせ話す。

「 Aです。皇A 」