No.113 待ってて 修正:4/20 ページ25
「私は、弱いから。逃げる事ばかりだった。自分を恨んで、何も守れない。
呆れるよ、自分で。ポツリと本音が溢れる。
若干自虐めいた色を浮かべてしまったが、Aはしっかりと前を向いていた。今度は、心操の目から避ける事はなかった。
「だから、待っててくれないか。私が打ち明ける準備ができるまで。無理を言ってるのもわかってる。ただでさえ借りの多い人生だし……。でも、今は逃げているわけじゃない。逃げない、真っ向から向き合う勇気が、まだ私にはないんだ。……ごめん、答えられなくて」
暫く無言が続いた。心操は視線を床に落としていて、目線は合っていない。バイオレットに染まった髪は、少しうねっていた。
「わかった。約束だからな」
「約束するよ」
そう言って手を前に出してきた心操。真意を図りかねていると、無視されているとでも思ったのか、「……指切りだよ」と彼が少し弱々しい声で言う。
「っ、あぁ……はい」
Aも手を出す。握り拳から小指だけを立て、絡ませ合った。
「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ます、指切った」
心操が小さい声で歌う。狭い保健室の中で、彼の低い歌声が傍聴していくように反響し、響いた。その名残が消えない頃に、触れていた温もりは離れた。
「……気分は良くなったかい？ 金子。何か揉めてはいなかった？」
ガラガラ、とドアが開く音がし、リカバリーガールがベッドを覗いた。どこか遠くへ行っていたわけではなさそうで、こちらの声が聞こえていたようだ。
どこか安心感のある声を発する彼女に、Aは言葉を返した。
「大丈夫です。特に問題はないです」
「どうやら、体調は良くなってきたみたいだね。体育祭に戻れそうかい？」
「……はい」
自分の体を見る。あの全身を貫くような痛みは既になかった。いつも
Aは個性の為に医療知識を蓄えてきたのだが、それは全く機能を果たさなかった。症状に結びつかない。何も該当しないのだ。
これまで沢山の人を治療してきたリカバリーガールでも原因が見えないという事は、何か
病気かもしれない。しかし、その可能性は鑑みるに低い。もしも他の要因があるとすれば──
(まさか……)
「金子？」
「……あぁごめん。戻ろうか」
心操から声をかけられて考えが断ち切られる。ベットから立ち上がり、リカバリーガールに声をかけた。
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( ･´ｰ･｀)どやｗ(プロフ) - 続編制作…！！！ありがとうございます！！桜さんがどのような方なのかめっちゃ気になって…！！(笑)ほんとうに更新が嬉しいのでまた続編まで行ってくれることに感謝しかなくて…！！！続編制作おめでとうございます！！ずっと応援してます！！！ (5月27日 11時) (
レス) @page50 id: 4e2cb1d965 (このIDを非表示/違反報告)
えぼし(プロフ) - ト、トガちゃん！弔くん！荼毘くんだーー！！敵連合だー！？ それに最後の女性は一体…？口調でもう分かる。めっさ綺麗。絶対、私この人に惚れる← 続きは気になりすぎる…。更新ゆっくり待ってます！ (5月20日 15時) (レス) id: 1767c8c0bb (このIDを非表示/違反報告)
みすゞ(プロフ) - コメント失礼します!いつも見ていますがやっぱりいつも夢中になって見れるので大好きな作品です。更新頑張ってください。 (2023年4月26日 21時) (レス) @page46 id: d0ec094424 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメル - 更新待ってます！！ (2023年4月15日 22時) (レス) @page45 id: e229d579e8 (このIDを非表示/違反報告)
( ･´ｰ･｀)どやｗ＠ぐんぐんグルト(プロフ) - 久しぶりのコメント失礼致します！相澤さんの口から織田作の名前が…！！やっと…！！念願の織田呼び…！！(笑)凄く物語に引き込まれる感があって読むごとにやっぱり好きだなぁと言う感情が芽生えます(笑)他人がとやかく言うものではないですが更新頑張って下さい！！ (2023年4月6日 17時) (レス) @page44 id: 4e2cb1d965 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞樹 | 作成日時：2022年11月14日 16時
