No.111 間違えた 修正:4/20 ページ23
「……あのさ」
「俺、間違えたんだ」
「……え」
予想外のことを言い出す彼に、返す言葉を失う。Aを見つめる瞳の中には、新たに自嘲めいた“
「ずっと、気をつけてたのにな、お前を傷つけないようにって。でも、間違ったんだ」
「……」
一つ一つ慎重に言葉を紡ぐ心操を、Aは見守る。ここで遮ることは良くない気がした。
「騎馬戦の時、言ったよな。『もしかして金子って、未来読める能力でも持ってたりする？』って」
「……あぁ」
「あの時、俺が放った言葉が、金子を傷つけたって……何となく分かったよ」
(……やっぱり気づかれてたのか)
心操といる時間が他の人と比べて多いからなのか、彼は細かなAの動揺も感じ取れるようになっていた。
いつもとは違って、心操の顔には真剣な色が浮かんでいる。Aは唾を飲み込んだ。
「ずっと聞きたかったけど、問い質したらいけない気がしてたんだ。誰にでも踏み込まれたくないところってあるからさ。でも、俺って金子のことを全くしらないって改めて思ったよ。何も話してくれないし、結局俺なんか信用されてないんじゃないかって」
「……違、っ」
否定しようとした声が喉につっかえる。打ち消す事などできるわけがなかった。
(私は、心操の気持ちを無下にしてきたのだから。……)
ずっと分かっていたのだ。わざと彼が「傍観者」という存在を選んでいたことを。心操は、Aが何かの“闇”を抱えているのを知っていた。けれど、彼は心臓の中枢付近に「己の意志で」足を突っ込んでくることは今までなかった。
彼もまた同じなのだ。そしてAも同じだった。
けれども、心操は踏み込もうともしていた。どこまで領域に侵入しても良いか。不確かでも何とか出来ないかともがいていた。
頭ではそう分かっていた。が、暖かすぎる程の“優しさ”を見落としているように振る舞った。
──どうすればいいのかわからなかった。
助けてほしいのかもしれない。救いの手を差し伸べたところでもう手遅れなのかもしれない。まだ間に合うかもしれない。
矛盾ばかりを抱え、戸惑いと劣等感と自己嫌悪の中。処理の仕方を知らないまま優しさを受け取って、ほったらかしていた。
心操はお人好しだ。その親切心に甘えていた。結果、恩を仇で返す形となってしまった。
自分の私情的な感情で、心操を傷つけた。
No.112 弱いから 修正:4/20→←No.110 赫い目
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( ･´ｰ･｀)どやｗ(プロフ) - 続編制作…！！！ありがとうございます！！桜さんがどのような方なのかめっちゃ気になって…！！(笑)ほんとうに更新が嬉しいのでまた続編まで行ってくれることに感謝しかなくて…！！！続編制作おめでとうございます！！ずっと応援してます！！！ (5月27日 11時) (
レス) @page50 id: 4e2cb1d965 (このIDを非表示/違反報告)
えぼし(プロフ) - ト、トガちゃん！弔くん！荼毘くんだーー！！敵連合だー！？ それに最後の女性は一体…？口調でもう分かる。めっさ綺麗。絶対、私この人に惚れる← 続きは気になりすぎる…。更新ゆっくり待ってます！ (5月20日 15時) (レス) id: 1767c8c0bb (このIDを非表示/違反報告)
みすゞ(プロフ) - コメント失礼します!いつも見ていますがやっぱりいつも夢中になって見れるので大好きな作品です。更新頑張ってください。 (2023年4月26日 21時) (レス) @page46 id: d0ec094424 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメル - 更新待ってます！！ (2023年4月15日 22時) (レス) @page45 id: e229d579e8 (このIDを非表示/違反報告)
( ･´ｰ･｀)どやｗ＠ぐんぐんグルト(プロフ) - 久しぶりのコメント失礼致します！相澤さんの口から織田作の名前が…！！やっと…！！念願の織田呼び…！！(笑)凄く物語に引き込まれる感があって読むごとにやっぱり好きだなぁと言う感情が芽生えます(笑)他人がとやかく言うものではないですが更新頑張って下さい！！ (2023年4月6日 17時) (レス) @page44 id: 4e2cb1d965 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞樹 | 作成日時：2022年11月14日 16時
