No.8 個性 ページ10
(うーん……別に個性は問題なく使えるから良いんだが……。どうしたものか)
Aは元マフィアだ。修羅場なんていくら潜ったかなんて分からない。だから、治癒できる個性というのはとても重宝されるものだ。実際、マフィアでも個性を使う場面は数知れずあった。
Aの個性、薬剤は、便利な個性であると同時に、知識がないと薬品を生成できないという難点がある。その為、Aは医学書を読み
そうしている内に、医療にかなり詳しくなった。症状と病名を照らし合わせて、それに適する薬品を作る。もうAにとっては容易いこと、と言っても過言ではない。
(でも……これって断りずらい雰囲気だよな。普通なら、多分引き受ける)
Aのいた環境が特殊すぎて、正直“普通”と言うものが分からない。しかし、一般人の教養くらいは身につけているので大体の物差しくらいなら持ち合わせている。
が、“大体の物差し”と言っても、所詮ただの戯言でしかない。表の社会と裏の社会での“普通”は異なる。
一般的に考えてみるとして、普通科の生徒がヒーロー科を見学できるというのはまたと無いチャンスだ。実際、普通科を受験したほとんどの生徒がヒーロー科を受験して不合格だった生徒だと言う。Aはその例外だが。
この人たちもAが「ヒーロー科受験をしていない」ということはもちろん把握しているだろうが、していようがしていなかろうが、Aにとっても誰にとっても“ヒーローとは憧れの存在である”という固定概念がこびりついている様子だった。
だから断るはずがない。断る理由を持たない。もしそれがあるのならば、余程の事情があるのではないかと深掘りする。
結果、Aに対する視線が変わり始める。これは最早、受け入れざるを得ない状況にあった。
「……はい。分かりました」
承諾したAに、満足したように根津校镸が言う。
「ありがとうなのさ。じゃぁ、明日のヒーロー基礎学からお願いしたいのさ」
「明日、からですか」
流石に驚いた。明日からとは思わなかったからだ。しかし、良く考えてみればそうだろう。入学式初日から訓練するほどなのだから、例え二日目であっても容赦はない。
「あぁ。お願いするね」
相澤が優しい口調で言う。声だけ聞けば、それは織田と錯覚してしまいそうなくらい類似していた。
(……あぁ、駄目だ。織田を思い出す)
浮かんだ友の顔を、頭から強制的に消した。
「……分かりました。ではこれで」
「あぁ」
相澤の事を「織田」と言ってしまわぬ前に、Aは早々に校長室を後にした。
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92Uranium(プロフ) - 流暢じゃなくて悠長だと思うんですが勘違いでしたらすみません (2023年2月24日 16時) (
レス) @page48 id: 30affeabb2 (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹(プロフ) - 誠に申し訳ございませんが、検索よけのため、引っかかるキーワードが含まれているコメントは削除させて頂きます。ご理解お願い致します。 (2023年1月18日 22時) (レス) id: 554508b1f5 (このIDを非表示/違反報告)
ﾃﾝﾌﾟﾗさん(プロフ) - No.19の量量は要領でしょうか？ (2023年1月16日 16時) (レス) @page22 id: ac3994717f (このIDを非表示/違反報告)
s(プロフ) - あやうる…？あらゆるですかね (2022年10月10日 3時) (レス) @page37 id: 24c6dcc0b6 (このIDを非表示/違反報告)
ペネロッペ(プロフ) - 学校のiPad……お揃いですね！私は携帯が使いにくくて学校のiPadを…授業中に…… (2022年10月7日 12時) (レス) id: 4e7520e5da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞樹 | 作成日時：2022年9月20日 21時
