No.5 呼び出し ページ6
入学式が始まった。辺りを見回すと、ヒーロー科の生徒だけがいなかった。
きっと何処かで訓練でもしているのだろう。流石、自由な校風を売る䧺英といったところで、他のヒーロー科ではまずあり得ない事だ。
しかし、入学式には出たかったのではないかと思う。一生の記憶に残るイベントとなる筈だったのだから。
「だから僕の毛並が……」
先ほどから、長々と校長のネズミが喋っている。しかも、自分の毛並みの話でもうかれこれ五分は経っている。
思わずあくびが出る。このままだと、一生話が続くのではないか。適当に聞き流すAはそう思った。
と言っても、校長がネズミというのには驚いた。まあ今の社会、ネズミが校長でも文句はいえない。長が動物であろうが、優秀である事には変わりないからだ。
校長の長話が終わらない気配を感じながら、Aはまたあくびをした。
◇◆◇
やっと入学式が終わった。しかし、あの校長の話は危険だ。実際寝ている人が沢山いた。入学式で寝てしまうのはどうかと思うが、それに納得せざるを得ない程の代物だった。
眠たい目を擦りながらも、Aは家へ帰るためにクラスを出る。
その時。
「金子Aさん。校長室までお越しください」
急にアナウンスされた。……何かしただろうか。首を捻るが思い当たる節はなかった。もしや、校長の話をまるで聞いていなかったのが悪かったのだろうか。
それとも……過去の話でも嗅ぎつけてきたのか。
(……それはあり得ない、筈だが)
勿論、マフィアにいた時代の履歴は消えている。バレる要素はない筈だ。
が、もしこちらの秘密を知っているのなら──。
それ相応の対応をせざるを得なくなる。このトップクラスの学校で暴動を起こす気はさらさらないが、相手側が強硬手段を取るので有ればこちらも同じだ。
しかしその可能性は低いだろう。最悪死人が出かねないのだし、関係のない第三者に見られては意味がない。
この手であれば心理戦だ。互いの喉にナイフを突きつけ合った状況下で常に相手の言動・行動を予測。言葉巧みに情報やボロを引き出す。
Aはそれの経験自体はあるが、流石に首領や太宰のようにはいかない。一つは取りこぼすであろう。
とにかくよっぽどでない限り、和睦を選ぶのが一番賢いやり方だ。
我ながらかなり物騒な事を胸に秘めながらも、Aは校長室への道を歩いた。
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92Uranium(プロフ) - 流暢じゃなくて悠長だと思うんですが勘違いでしたらすみません (2023年2月24日 16時) (
レス) @page48 id: 30affeabb2 (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹(プロフ) - 誠に申し訳ございませんが、検索よけのため、引っかかるキーワードが含まれているコメントは削除させて頂きます。ご理解お願い致します。 (2023年1月18日 22時) (レス) id: 554508b1f5 (このIDを非表示/違反報告)
ﾃﾝﾌﾟﾗさん(プロフ) - No.19の量量は要領でしょうか？ (2023年1月16日 16時) (レス) @page22 id: ac3994717f (このIDを非表示/違反報告)
s(プロフ) - あやうる…？あらゆるですかね (2022年10月10日 3時) (レス) @page37 id: 24c6dcc0b6 (このIDを非表示/違反報告)
ペネロッペ(プロフ) - 学校のiPad……お揃いですね！私は携帯が使いにくくて学校のiPadを…授業中に…… (2022年10月7日 12時) (レス) id: 4e7520e5da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞樹 | 作成日時：2022年9月20日 21時
