No.38 抹消と人間矢格 ページ41
「校舎と離れた隔離空間。そこに少人数のクラスが入る時間割を把握して……。バカだがアホじゃねぇ。これは何らかの目的があって、用意周到に画策された奇襲だ」
紅白頭が状況を分析する。やはり、粗雑な計画でこの場に来ているのではない。
「13号避難開始！ 学校に電話試せ！ センサーの対策も頭にあるヴィランだ。電波系の”個性”が妨害している可能性もある。上鳴、おまえも”個性”で連絡試せ」
「っス」
相澤が的確に上鳴という生徒に向かって指示を出す。ヒーローというのは、やる事も、背負うものも多い。その為、実力が大きく問われる職業だ。
「先生は！？ 一人で戦うんですか？ あの数じゃいくら”個性”を消すっていっても！」
緑が焦ったように叫ぶ。当たり前だ。やはり、多数対一は厳しい所がある。幾ら自身が優れていても、数の差で言えば圧倒的に不利でしかなく、不意を突かれやすい。
あまり詳細は知らなかったが、相澤の個性は抹消。太宰の人間矢格と同様だ。が、この二人には圧倒的な違いがある。
抹消は、目で見た者の個性を消す事が出来る。が、一時的にでしか無く、視線を外せば効果は消える。対し人間矢格は、触れた異能力を消す。一度触れて仕舞えば、発動自体をも封じる事が出来る。
正直言えば、抹消の方が劣るのだ。
「イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ。正面戦闘は……」
緑が言う。戦闘スタイルまで把握しているとは。相澤の性格からしてあまり表には出ないだろうに、なかなかに侮れない。
「一芸だけじゃヒーローは務まらん。13号！ 任せたぞ」
そう言い残すと、相澤はヴィランの方へと向かって行った。
ヴィランの方は相澤を完全に舐め切っていたが、直ぐに伸された。
例えどんなに自分より劣っていても、侮っては行けない。これを守らず、死んで行った者も多い。
「すごい……！ 多対一こそ先生の得意分野だったんだ……！」
驚き、感心する緑。確かにヒーローとしての実力は高いことが窺えるが、杞憂はまだAの中にあった。
(一体、相澤さんはどこまで持つかな)
幾ら多数対一が得意だと言っても、一人一人相手していれば体力消耗は激しいものになる。時間は限られてくるだろう。
「分析している場合じゃない！ 早く避難を！」
飯田が緑を咎める。確かに早く逃げた方が得策であるし、言っては悪いが今の彼らの実力では足で纏いにしかならない。
「させませんよ」
入り口へと向かって居たA達に、霧ヴィランが立ち塞がった。
どうやら、逃がしてくれる気はないらしい。
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92Uranium(プロフ) - 流暢じゃなくて悠長だと思うんですが勘違いでしたらすみません (2023年2月24日 16時) (
レス) @page48 id: 30affeabb2 (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹(プロフ) - 誠に申し訳ございませんが、検索よけのため、引っかかるキーワードが含まれているコメントは削除させて頂きます。ご理解お願い致します。 (2023年1月18日 22時) (レス) id: 554508b1f5 (このIDを非表示/違反報告)
ﾃﾝﾌﾟﾗさん(プロフ) - No.19の量量は要領でしょうか？ (2023年1月16日 16時) (レス) @page22 id: ac3994717f (このIDを非表示/違反報告)
s(プロフ) - あやうる…？あらゆるですかね (2022年10月10日 3時) (レス) @page37 id: 24c6dcc0b6 (このIDを非表示/違反報告)
ペネロッペ(プロフ) - 学校のiPad……お揃いですね！私は携帯が使いにくくて学校のiPadを…授業中に…… (2022年10月7日 12時) (レス) id: 4e7520e5da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞樹 | 作成日時：2022年9月20日 21時
