No.30 個性が全て ページ33
(……個性婚、ねぇ)
この時代、それは特殊なケースでもなくなってきている。只でさえ個性が全ての世界だ。さらに良い個性を生み出そうとし、子供を自らより優秀なヒーローに。気持ちは分からなくもない。
だが、その身勝手のせいで、人生を狂わされた者も多い。
個性を生まれる前から指定することは出来ない。すなわち「運」である。
個性が悪い──もしくは“無個性”であれば、無能で、何もできない社会の底辺だと馬鹿にされ、虐められる。
一方、個性が貴重だと、周りからの期待値が凄く、何時も生きずらさを感じて生きる。失敗したり、期待を裏切ったりすれば、失望される。だから、成績に全てを束縛されてしまう。
人生、“個性”のみで価値を決められる人生。そんな「運」だけで社会が廻る。この世界は不条理で、残酷。幼いながらに、Aは悟ってしまった。皆が、馬鹿のようにヒーローを追いかけている間に。
──ヒーローは存在しないと、気づいてしまったのだ。
紅白頭もまた、個性婚で人生が狂ったその一人。ヒーローの“闇”を間近で見てきた。英雄だと世間で讃えられている親。家に帰れば差別と暴力に溢れる。
“光”と“影”に触れていると、いつしか人は分からなくなってくる。一体、自分は何なのだろう。何故ヒーローを目指すのだろう、と。
実際、紅白頭がヒーローを目指す理由。それは親への復讐や見返り。緑髪の少年のような、生粋な志ではない。最早、ヒーローを目指すのが当たり前だと思っているのだ。
(……気に入らないな)
マフィアにいた頃の太宰が生きる意味を探していたように、彼はヒーローを目指す“
──Aより、よっぽどましで素晴らしい人生だと言うのに。
幾ら暴力や支配があったとしても、Aならば喜んで受け入れただろう。“ヒーロー”に成れるのならば。“ヒーロー”として生きられる未来が保障されるのならば。
「……個性が出る前に、いなくなったから。親は私が貴重な個性だと知ったらどうしただろうね。売って金にでもしたんじゃないかな」
「……悪い冗談はよしてくれ」
紅白頭がバツが悪そうに言う。流石にこれは冗談だとしても重すぎる。
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92Uranium(プロフ) - 流暢じゃなくて悠長だと思うんですが勘違いでしたらすみません (2023年2月24日 16時) (
レス) @page48 id: 30affeabb2 (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹(プロフ) - 誠に申し訳ございませんが、検索よけのため、引っかかるキーワードが含まれているコメントは削除させて頂きます。ご理解お願い致します。 (2023年1月18日 22時) (レス) id: 554508b1f5 (このIDを非表示/違反報告)
ﾃﾝﾌﾟﾗさん(プロフ) - No.19の量量は要領でしょうか？ (2023年1月16日 16時) (レス) @page22 id: ac3994717f (このIDを非表示/違反報告)
s(プロフ) - あやうる…？あらゆるですかね (2022年10月10日 3時) (レス) @page37 id: 24c6dcc0b6 (このIDを非表示/違反報告)
ペネロッペ(プロフ) - 学校のiPad……お揃いですね！私は携帯が使いにくくて学校のiPadを…授業中に…… (2022年10月7日 12時) (レス) id: 4e7520e5da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞樹 | 作成日時：2022年9月20日 21時
