No.26 警報 ページ29
「まあね。でも……悪くはなかった」
マフィアという血や暴力で溢れかえった場所。毎日のように血みどろの死体が運ばれてくる。そんないつ己が死体に堕ちるかも分からない戦場では、一見笑顔や心休める場所はないように見える。
だがしかし、彼等にも普通の少年の様に振る舞える時も存在する。太宰と中原幹部は仲が悪いし、色々と迷惑をかけられることもあるが、あの二人はまだ二十歳にも満たない少年だったのだ。
太宰のような、マフィアという文字が一番似合う残酷で、死んだ目をする彼も。中原幹部を揶揄っている時は年相応にAには見えていた。
織田と一緒にいる時の太宰も、いつもの部下に冷酷無慈悲と恐れられる彼の面影はなかった。本当に心を許せるような存在。あの太宰の中のだ。
きっと両者は友達という最高の関係性にあった。だからこそ、失った時の喪失感は計り知れない。尤も、あれまで動揺したところを見たことなど誰もなかった。
よく分からない、と言うように視線を送ってくる心操はどうだろうか。Aと彼は、本物の“友達”に成れるだろうか。
しかし別に全てを分かってくれなくて良い。理解してくれなくて良い。入り込んでこなくて良い。放っておいてくれれば良い。
しっかりとAの気持ち、本質を見極められる、又はその努力をする様な人間が居る事を信じるのは、今のAには難しかった。
それに、話した場合の反応が全く予測がつかないのも一つであった。
それから心操と幾つか軽い話を交えながらも、食事をしていた時だった。
「セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難して下さい」
「警報……？」
心操が席から立ち上がって状況を見る。
対してAはまだ定食を食べていた。
「おい。逃げるぞ……って何悠長に食べてんだよ！」
心操に強制的に腕を引っ張られ、廊下へと連れていかれる。辞めてくれ。そう言えないまま人混みに飲まれる。
(だから行きたく無かったんだ)
警報が鳴ったからには、結局どこに居ても同じだろうし、人混みの中の方がよっぽど危険だろう。
そう思ってわざわざ留まっていたのに。後悔してももう遅い。
「……おっと」
流石にこの人混みではまともに動けない。というかだんだんと流されて、心操から離れていく。
(どうしたものか……)
この状況をどう打開するか考えていたその時。
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92Uranium(プロフ) - 流暢じゃなくて悠長だと思うんですが勘違いでしたらすみません (2023年2月24日 16時) (
レス) @page48 id: 30affeabb2 (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹(プロフ) - 誠に申し訳ございませんが、検索よけのため、引っかかるキーワードが含まれているコメントは削除させて頂きます。ご理解お願い致します。 (2023年1月18日 22時) (レス) id: 554508b1f5 (このIDを非表示/違反報告)
ﾃﾝﾌﾟﾗさん(プロフ) - No.19の量量は要領でしょうか？ (2023年1月16日 16時) (レス) @page22 id: ac3994717f (このIDを非表示/違反報告)
s(プロフ) - あやうる…？あらゆるですかね (2022年10月10日 3時) (レス) @page37 id: 24c6dcc0b6 (このIDを非表示/違反報告)
ペネロッペ(プロフ) - 学校のiPad……お揃いですね！私は携帯が使いにくくて学校のiPadを…授業中に…… (2022年10月7日 12時) (レス) id: 4e7520e5da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞樹 | 作成日時：2022年9月20日 21時
