No.14 紅白頭 ページ16
(紅白頭……？ どんな個性なんだろう)
Aの視線の先には、左髪を赫に、右髪を純白に染めた少年がいた。何故か気になってしまって、彼の横顔を見つめる。
暫くしていると、彼と目が合った。
(……)
中々に顔立ちが整っているのだが、顔にある傷に目が入った。
最近付けられた傷ではない様だが、大きく傷になっているためかなり目立っていた。
(コイツにも色々ありそうだな)
元マフィアの勘でそう感じた。誰かへの憎悪。復讐。それだけのために生きてきた人間を、腐るほど見てきた。
紅白頭からも同じ気配がしている。
(あんま突っ込まない方が良いよな)
またモニターに視線を移す。変に突っかかっていくと
紅白頭が自分のことを見つめてくるのを無視して、Aは爆豪達の試合を見た。
◇◆◇
両者の対戦が終わった。
「ヒーローチームwin！」
オ一ルマイトが告げる。初戦からかなり拗れたものを見た。爆豪。アイツはいつかあの自尊心の塊のような性格が仇となることが出てきそうだ。
正直、彼のような人とは関わりたくなかった。プライドの高さ故に基本的に鼻にかけるような態度であるし、こう言う人間は大体面倒臭い。
性格や言動、と言うよりも“中身”の部分でだ。いつしか自分の気持ちを他人に吐けなくなって、段々と己の中に負の感情を心のコップに溜めていく。
その水が溢れ出したら、“心”という機能自体が麻痺し始める。
ヒーローに成るにおいて。人を救う事を生業とするのなら。正義を貫く為の精神力の基礎となる器は特に大切だ。脆く、不安定なものではヒーローという生死を目の当たりにする現場においては危険になる。
心砕けて、死を待つだけの人間を救えるのは、きっと──。
(はぁ。初戦から出番か)
ため息を吐いて、Aはオールマイトに向かって言う。
「……オールマイトさん。治療してきますね」
「あぁ、ありがとう。金子少女」
歩いて向かう。酷い怪我では完全には治さない。強すぎる薬を使えば副作用がその分重くなるからだ。
初日からの自己犠牲。ヒーローならば宿命なのかもしれない。でも……。
あれほど馬鹿みたいに人のことを考える人が、もう死ぬのを見たくなかった。
(……織田)
もし君を蘇らせることの出来る能力があったなら、きっと私は自らの命をも投げ打っただろう。例え、彼が望まぬ事だったとしても。
それを躊躇なく行えるのがヒーローなのだろうかと、Aは自嘲的に笑った。
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92Uranium(プロフ) - 流暢じゃなくて悠長だと思うんですが勘違いでしたらすみません (2023年2月24日 16時) (
レス) @page48 id: 30affeabb2 (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹(プロフ) - 誠に申し訳ございませんが、検索よけのため、引っかかるキーワードが含まれているコメントは削除させて頂きます。ご理解お願い致します。 (2023年1月18日 22時) (レス) id: 554508b1f5 (このIDを非表示/違反報告)
ﾃﾝﾌﾟﾗさん(プロフ) - No.19の量量は要領でしょうか？ (2023年1月16日 16時) (レス) @page22 id: ac3994717f (このIDを非表示/違反報告)
s(プロフ) - あやうる…？あらゆるですかね (2022年10月10日 3時) (レス) @page37 id: 24c6dcc0b6 (このIDを非表示/違反報告)
ペネロッペ(プロフ) - 学校のiPad……お揃いですね！私は携帯が使いにくくて学校のiPadを…授業中に…… (2022年10月7日 12時) (レス) id: 4e7520e5da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞樹 | 作成日時：2022年9月20日 21時
