No.9 オ一ルナイト ページ11
翌朝を迎えた。
Aは午前の授業を終え、根津校長と相澤に指定された場所へと向かった。
どうやら、その場所はヒーロー科の入試試験に使われたらしい。……別に、興味はないのだが。
はぁ、とため息を吐きながらも、Aは歩いていた。
「やぁ。確か君は金子少女だね！ 今日の基礎学、ぜひ勉強してくれ」
着いた途端、筋骨隆々と言う文字がよく似合うヒーローらしき男性に声をかけられた。
確か……名前は……
「……オールナイトさん」
「オ一ルマイトだよ！ 微妙に違う……」
どうやら絶妙に間違っていたらしい。オ一ルマイトが若干傷ついた、と言う表情で言ってきた。
オ一ルマイト。ヒーローに疎いAですら知っている英雄。生きた伝説。確かランキング番付のビルボートチャートに例年登場するベテラン。順位までは覚えていない。
年は五十過ぎと言ったところだが、貫禄と迫力が凄まじかった。百戦錬磨。見た目からしてもそれが明らかだった。
きっとこの人を敵に回せば社会全体を敵に回すであろう。その点といえば
「すみません。ところで、まだ生徒は来ていないのですか」
「あぁ。もうすぐ来ると思うよ。今着替えてるから」
「そうですか」
謝罪の後、Aは聞きたいことを質問した。その後は口を閉ざした。無口なAは必要最低限のこと以外はあまり喋らない。
暫く無言が続いた後、オ一ルマイトから話しかけてきた。
「金子少女の個性は“薬剤”だそうだね！ とても珍しく、使い勝手の良い個性だ」
「はい。そうですね」
「そして君は入試一位。稀に見ない高得点だ」
「そうみたいですね」
そんなに珍しいことなのだろうか。よく分からない、とAは正直思った。地頭はいい方だと自分でも思うが、もっと頭のいい人だって大勢いる。
例えば太宰。「太宰の敵にとって一番の不幸は、太宰の敵であること」と言わしめるほどの頭脳と残酷さを持ち合わせた人物である。
久しぶりに彼を思い出していると、オールマイトはさらに口を開いた。
「それほどまでの頭があれば、個性を最大限に使うことができる。金子少女は凄いね」
「……ありがとうございます」
あまり最近褒められることがないので少しくすぐったい気分になる。昔は褒められることも、誰かを褒めることなんて0に等しかった。
弛んでいるぞ、と自分に警告を送った。油断こそが最大のトラップ。身をもってAはそれを知っている。
すると足音が聞こえ、うるさい声が部屋に響いてきた。
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92Uranium(プロフ) - 流暢じゃなくて悠長だと思うんですが勘違いでしたらすみません (2023年2月24日 16時) (
レス) @page48 id: 30affeabb2 (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹(プロフ) - 誠に申し訳ございませんが、検索よけのため、引っかかるキーワードが含まれているコメントは削除させて頂きます。ご理解お願い致します。 (2023年1月18日 22時) (レス) id: 554508b1f5 (このIDを非表示/違反報告)
ﾃﾝﾌﾟﾗさん(プロフ) - No.19の量量は要領でしょうか？ (2023年1月16日 16時) (レス) @page22 id: ac3994717f (このIDを非表示/違反報告)
s(プロフ) - あやうる…？あらゆるですかね (2022年10月10日 3時) (レス) @page37 id: 24c6dcc0b6 (このIDを非表示/違反報告)
ペネロッペ(プロフ) - 学校のiPad……お揃いですね！私は携帯が使いにくくて学校のiPadを…授業中に…… (2022年10月7日 12時) (レス) id: 4e7520e5da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞樹 | 作成日時：2022年9月20日 21時
