･ ページ29
･
｢あっ、起きた？｣
｢……は？｣
｢は？じゃないわ！突然ぶっ倒れてさー！｣
｢え…？｣
｢もー！…でもなんか普段の紫耀より可愛くていいな。笑｣
俺はついにこんな夢まで見るようになったのか。
呆れるけれど、ナイスとも思う。
俺もまだまだガキだな。
｢俺もAも…なんで家に…？｣
やばい、ほんとに何にも覚えてない。
これが現実かも夢かも分からない。
｢廉と飲んでたらたまたま紫耀が入ってきたから一緒に飲んだんじゃん！半強制的に、笑｣
｢はあ…？マジで覚えてねぇ、｣
｢紫耀弱いくせにチョー飲むから注意したのに、これだもんね。明日から1週間レモンミルク奢ってよね。笑｣
夢か現実かは分からないけれど。
Aが俺の隣にいるのは確かで。
少なくとも俺の面倒をみてくれてたんだ。
それだけで、愛おしさが溢れてくる。
｢な、永瀬は…？｣
｢さっきまでいたんだけど夜のバイト行ったよ！｣
｢えっ、なんでAが残ったんだよ。｣
｢廉曰く、｢俺は平野紫耀を信用してる。｣って言っておくことが何よりの脅しやしアイツのプライドにさわるやろって。悪い顔してたし、普通に心配だからそばにいてやれって。笑｣
アイツ、余裕かましてきやがって。
腹立つな。
俺が手出さないとでも…？
とか言って、Aを目の前にすると。
例えこれが夢であっても、不思議と手が前に出なくなる。
昔の俺が見たら、ビビるやろな。
いや、こんな俺の事を馬鹿にするかな。
小心野郎って。
｢あっそ、｣
｢あっそって！廉に感謝しなよね！？｣
｢…してるよ、｣
｢えっ、素直。｣
｢ばーか、俺はいつだって素直だっつの。｣
夢の中でもAは俺を馬鹿にしてくる。
こんな風に心地がいいなら、もう一生目なんか覚めなくていいのに。
｢で…？具合は？｣
｢スッキリしてるけど、｣
｢そ？なら良かった。
大丈夫そうだし、そろそろ帰るかなー｣
でも彼女はやっぱり、すぐ俺のそばから居なくなろうとする。
｢待てよ、｣
｢へ？｣
だから俺は、その細くて白い腕を握るんだ。
｢明日も大学だろ？｣
｢え、うん、まあ。｣
｢ウチからの方が近いし、泊まってけよ。
親友の家に泊まるだけだろ。｣
｢えっ、いやそれは、それにしても廉に許可は取らないとね？｣
夢の中でもAは廉のことばっかで。
イライラしてくる。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 829人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涼宮美桜 - 堕ちないんでシリーズ、本当に最高で、最初から一気読みしてしまいました！！とっても素敵なお話、ありがとうございました！！！ (2019年8月7日 15時) (
レス) id: 67fa9efd8d (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - 完全完結かぁ…なんかやっぱり寂しいなぁ、主人公とサムサラサルとのやりとりが楽しくて大好きな作品でした。ちなみに私の中でジンくんのサ行はサギ笑 最終的にサラの幸せは主人公を好きでいる事やから切なさはあるよね。平野のラブストーリー楽しみに待ってます!! (2019年7月21日 18時) (レス) id: a5e5ff503d (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - ひかるさん» 大好物を提供出来て良かったです！！笑 サラ推しが納得できるようなエンドできるように頑張りマース！！ (2019年7月19日 23時) (レス) id: 9064239303 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - あやぴさん» あやぴさーん！本編終わりましたがまだちょっと続きます！！ふふ。 分かります、私もいろんな人から愛されたい…！！まだもう少しお付き合い願いますー！またコメント待ってます！！ (2019年7月19日 23時) (レス) id: 9064239303 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - あー、エロい廉くん、私の大好物や笑 まぁエロに関しては私も負ける気しないけどな笑(オイ) そして、待望のサラのハピエンストーリー来た？今のところはまだ通常運転やけど笑 切なくも幸せなサラが見たいから、ななはちゃんの文才に期待しつつ、更新楽しみにしてます!! (2019年7月17日 19時) (レス) id: a5e5ff503d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：*咲七波*
| 作成日時：2019年5月18日 2時
