173%【R】 ページ43
░▒▓█ Ren side
Aが何考えてんのか分からないって言うたけど。
そもそも俺は、Aの事なんか最初っから分かって無かったのかもしれないって。
そんなレベルまで自信が無くなった。
手からするりと抜け落ちてしまったような。
だから拾おうとしても、拾うことができないような。
突然俺の中にいたAから影がなくなってしまった。
俺が見ていた彼女は、どこに行ったんだろうか。
そもそも、彼女は俺の中にいたのか。
俺はその教室を後にして、レモンミルクにストローを刺した。
「… 美味。」って呟いても、でしょって明るく笑うAが隣に居ないと。
やっぱ、俺あかんねん。
それくらいに俺は、君が好きなのに。
なあ、どうして。
君の心を引っ張っていくのは、いつも俺以外の男なんや。
…そんなもん、Aの直感やから仕方ないけどさ。
だからこそ、嫉妬すんねん。
Aとのチャット画面を広げてはスクロールして、閉じては開いて。
またスクロールする。
何か言おうとキーボードを出すけれど。
虚しくもキャレットが規則正しく点滅するだけで。
何を送ればいいのかなんて分からなくて。
もちろん、Aからの連絡なんか無いから。
もっと虚しくなる。
.
Aと話さない、笑わない数日は。
あまりにも地獄で。
あれ、俺今までどうやって生きてきたんやって思うくらいで。
さっさと連絡して「ごめんな、はよ会おうで」って降参すりゃいいのに。
Aをかれこれ4日、口も聞いてなければ目も合わせていない。
講義を聞く背中を、たまに。いやずっと見つめていただけ。
このまま、俺は忘れられて。
俺もAへの気持ちを忘れて。
何処かに無くしてしまうんやろか。
.
講義を聞くだけ聞いて、教室を出て校舎内をフラフラしていたら。
やや興奮気味の女の子に声を掛けられた。
『あの!』
「はい…?」
『永瀬廉くんですよね!!』
「あ、はい。そうっすよ!」
キラキラした目を向けてくれる姿は可愛いのに。
皆俺の顔しか見てへんから。
心でぶつかってきてくれるAが、大好きやった。
俺自身を見てくれる奴がいるって。
『前からファンなんです!今日、やっと話しかけられましたあ!』
「ファンて、笑 でも嬉しいです。ありがとうございます。」
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*咲七波*(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます!前から見てくださっているなんて嬉しいですー!しかも勿体ないお言葉頂けて恐れ多いです…!涙 ぜひぜひ読み返してください!他の作品にもコメント待ってます!笑 (2018年12月8日 17時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
みるく - はじめまして!前から見させてもらってます!なのにコメしなくて申し訳ないです… もう号泣しまくりですよ!もう作者様大好きになりました!!この文章力、小説書いて売った方がいいです!読み返しますし、他の作品も見たいと思います!長い駄文失礼しました!! (2018年12月8日 11時) (レス) id: 58c3937f81 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - *咲七波*さん» なんか、見てたら知らん間に泣いてた〜。恋愛小説もたまにはいいねー (2018年11月20日 17時) (レス) id: c1ea85b2d3 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - らいみぃさん» コメントありがとうございます!泣いてくださったんですか!?嬉しいです… 平野くんを必死に堕とそうとする話を絶賛更新中なのでぜひそちらも!笑 (2018年11月5日 14時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
らいみぃ - このお話が大好きです!もう、泣きました。ほんと作者様ありがとうございます、お疲れ様でした。これからも別のシリーズ頑張ってください! (2018年11月4日 22時) (レス) id: 657c2ba17c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*咲七波* | 作成日時:2018年10月14日 23時