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░▒▓█ ○○ side







「ついたでー」っと俺が言う頃には、Aは眠そうに目をこすっていて。


ホンマ、何から何まで可愛すぎる。こいつ、やっぱウザい。





車に乗ってからのAの緊張しようは異常で。

こっちにまで伝わるくらいで。


俺に何て言おうかずっと考えてたんやろな。



傷つけないようにー、とか。

嫌われないようにーとか。笑





振られれば誰だって傷つくし嫌になるわ。


…でも、Aはそういう子だ。






自分以上に相手の事を考えてしまうから。





外に出ると、ひんやりとした風が俺たちの頬を撫でる。


空気が澄んでいて、香る木々の匂いが俺の心を静めていく。




覚束ない足取りのAの手を取って、絶景スポットに連れていく。



温かい手を、記憶に刷り込ませる。


少し背の低いAの横顔をなぞる様に眺めて。



香ってくる優しいシャンプーの匂いを心に刻み込む。





姉ちゃん以上に好きな女なんて、できないと思ってた。


姉ちゃんだけなんだって。

一生姉ちゃんだけを想って死んでいくんだろうなって思ってたのに。



Aはサラっと俺の心を奪っていった。





もちろん、そんなAにコロっと堕ちる男は俺だけじゃなかった。


学園の王子様だって、Aに堕とされた。




…マジでむかつくわ。





「うわっ!ちょっと!何すんの!?」



Aの目を両手で後ろから覆う。




「見えるまでのお楽しみ。笑」


「もー!怖いってば!笑」




この笑い声も、柔らかいほっぺも。


…俺のモノにはならない。






「じゃーんッ!!」


「…うわあああっ」






大きな瞳をこれでもかと広げて、下に広がる営みの星を両目に映すA。



…こんなにも綺麗な女が、他にいんのかって。


柄にもないこと思ってる。






「めっちゃ綺麗だろ?」


「うん、すごい…」





もう一度、Aの手を握るのは。


そうすれば、Aの心が疼いて。



俺への言葉を飲み込んでくれるんじゃないかって。


意地悪してるのもあるけれど。




1秒でもいいから、俺の傍にいたっていう記憶が欲しいから。




いつからこんな風に女々しくなったんだか。


自分でも覚えていないけれど。今は、Aを一番近くで感じでいたい。






「A?」







░▒▓█

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*咲七波*(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます!前から見てくださっているなんて嬉しいですー!しかも勿体ないお言葉頂けて恐れ多いです…!涙 ぜひぜひ読み返してください!他の作品にもコメント待ってます!笑 (2018年12月8日 17時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
みるく - はじめまして!前から見させてもらってます!なのにコメしなくて申し訳ないです… もう号泣しまくりですよ!もう作者様大好きになりました!!この文章力、小説書いて売った方がいいです!読み返しますし、他の作品も見たいと思います!長い駄文失礼しました!! (2018年12月8日 11時) (レス) id: 58c3937f81 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - *咲七波*さん» なんか、見てたら知らん間に泣いてた〜。恋愛小説もたまにはいいねー (2018年11月20日 17時) (レス) id: c1ea85b2d3 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - らいみぃさん» コメントありがとうございます!泣いてくださったんですか!?嬉しいです… 平野くんを必死に堕とそうとする話を絶賛更新中なのでぜひそちらも!笑 (2018年11月5日 14時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
らいみぃ - このお話が大好きです!もう、泣きました。ほんと作者様ありがとうございます、お疲れ様でした。これからも別のシリーズ頑張ってください! (2018年11月4日 22時) (レス) id: 657c2ba17c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*咲七波* | 作成日時:2018年10月14日 23時

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