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偽王子120 ページ40

.。☆。.








そうだ。

選手をやめたって、先輩のこの力に溢れた笑顔があればそれでいいんだ。





だって、私はこの先輩の表情を見たくて、きっと応援していたから。


陸上があったって、なくなって、同じだ。








「あの頃の菊池先輩が帰ってきたんだ…本当に…!」


「おーよ!だから、お前も早く納得いくまで遠回りしてみろって!」




「はい!」









菊池先輩は、本当にすごい人だ。


陸上で私にエネルギーをくれて。

トラックにはもういないけれど、それでも同じ、それ以上の力をくれる。







「ありがとうな、ほんと。お前のおかげで全部、俺頑張れてた。

 お前って本当変な奴だよなー、こんな俺のこと応援するなんて。笑」





「菊池先輩こそ、私に走れない姿見せられないなんて…

 気にする必要なかったのに。笑」








「それはさ、お前。さすがに気がつけよ。」







「え?」









2人だけの公園に、ブランコの揺れる音と、

鈴虫の音が響く。






先輩の瞳は、街灯に照らされてきらきらと輝いていた。









「…

 お前が好きだったってことじゃん?」




「え…?」




「でも、安心しろって。もう昔の話。

 今は大切な妹って感じだからさ。」









大切な、妹…







私も、先輩に言っておくことがある。









「あ、あの…」



「ん?」



「私、中学校の頃から選手だった先輩が大好きでした。

 先輩の背中を見て、私も部活頑張ろうって本気で追いかけてた。」




「そっか。っていうかもうそんな前なんだなー笑」



「うん、笑

 でもその大好きはきっと私にとってのお兄ちゃんとして、みたいな感じで。


 だからいま、先輩と両想いに慣れた気がして、嬉しいです。」





「両想いねー、ったくこんな両想い聞いたことねえわ。笑」




「たしかに、笑」


「でも、俺とお前だから成立すんだろうな。」

「そうだと思います!」






「じゃ、妹よ。何にぶち当たってんのかは知らねえけど、諦めんなよ!」


「頑張ります!」









.。☆。.

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*咲七波*(プロフ) - あこさん» 一気に読んでくださったなんて…すごく嬉しいです!これからもよろしくお願いします!! (2018年5月25日 12時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 読み始めたら止まらなくて一気に読み終わりました。続き楽しみにしてますね。黒崎くんを思い出しながらドキドキしてます。 (2018年5月25日 10時) (レス) id: b6d97b5401 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2017年1月10日 18時) (レス) id: b3fcb88642 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*咲七波* | 作成日時:2017年1月1日 4時

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