偽王子116 ページ36
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息を切らして、辿り着いていた場所は、
りんちゃんと菊池先輩とよく遊んだ公園だった。
疲れ切って、ブランコに腰を落とす。
少しずつ勢いがついて、生暖かい風が、私の涙を乾かしていく。
【行かない】
何度見返しても、そこにあるのは、断りの4文字。
「…っ これはさすがに大失敗すぎる…」
何度も傷を負った心は、まだそれを完治できていない。
でも、現実はそんなことお構いなしで。
きっと、私がただのファンだったら、一緒に行ってもらえてたかもしれない。
全部、召使いのせいだ。
なんて、また考えても無駄なこと思って。
ていうか、そもそもこの間断られてんの分かってたくせに。
でも。やっぱり、こんな風にはっきり言われたら。
分かってても、苦しいよ。
悲しいよ。
「ったくさー、どうしていんだよここに。」
「へっ!?」
びっくりして横を見ると、菊池先輩が。
「き、菊池せんぱ…」
咄嗟に涙を拭きとる。
「困るんだよねー。女の子が夜の公園のブランコでべそかいてるとかー」
そう言いながら、先輩は乱暴に私の隣のブランコに座った。
「な、先輩こそどうしてここに!」
「しらねーよ、気分。
なんかあれじゃね?お前がテレパシーかなんか俺に送ったんじゃね?笑」
「なんですかそれ…笑」
とか言いながら、まんざらでもない。
きっと、そうかもしれないって思えちゃうほど、
今の私は菊池先輩の姿にほっとさせられた。
「なんか抱え込んでることあるなら、俺に言えばー?」
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*咲七波*(プロフ) - あこさん» 一気に読んでくださったなんて…すごく嬉しいです!これからもよろしくお願いします!! (2018年5月25日 12時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 読み始めたら止まらなくて一気に読み終わりました。続き楽しみにしてますね。黒崎くんを思い出しながらドキドキしてます。 (2018年5月25日 10時) (レス) id: b6d97b5401 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2017年1月10日 18時) (レス) id: b3fcb88642 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*咲七波* | 作成日時:2017年1月1日 4時