偽王子１１２ ページ32
.｡☆。.
「健人くん、久しぶりっす！」
「おお、岸！遠足ぶりだな。…それと、Aちゃんも。」
「え、あ、うん。久しぶり、中島くん。」
「２人ってやっぱ仲いいね。」
「「良くない」」
「ほら。笑
で？さっき何話してたの？」
ほ、本当に普段は普通の人だな…
なんで、本性はこれができないんだ…？
つくづく頭が痛くなる…
「さっき…？あー、花火っすよ！今週末にある！」
「あー、らしいね。」
「いやー、健人くんはもういろんな子に誘われて大変でしょ！」
「いや、そんなことないよ。笑」
ほら、岸の前なら、そうやって笑うのに。
私の前じゃ、いっつも。不機嫌な顔ばっかで。
「っで、まあうちらのグループで行こうかっていう話をしてただけっす！」
「そっか！めっちゃいいじゃん！楽しんできてね！」
な。何、それ。
間接的に、断った？私、断られた？
そういうこと？
勝手に想像しすぎって分かってる。分かってるけど。
岸でさえも、あんな態度で接してもらえてるのが、羨ましくなっちゃって。
どうしたの、私。おかしいよ。
こんなこと、いつものことなのに。
もう、分かり切ってる事なのに。
好きになれば、なるほど、嫌になる。
だって、偽王子が私に本性で接してくる以上、私は一生召使いのままだから…
「き、岸！もう行こう！え、映画！映画始まっちゃうよ！？」
咄嗟に付いた嘘。
私、かっこ悪すぎかよ。
「え、映画！？ちょ！け、健人くんまたね！？」
そのまま岸の手を引っ張って、走り続けた。
私は、とんだバカだ。臆病者だ。救いようのない意気地なしだ。
.
「ちょ！A！止まれって！おい！！」
.｡☆。.
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*咲七波*(プロフ) - あこさん» 一気に読んでくださったなんて…すごく嬉しいです！これからもよろしくお願いします！！ (2018年5月25日 12時) (
レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 読み始めたら止まらなくて一気に読み終わりました。続き楽しみにしてますね。黒崎くんを思い出しながらドキドキしてます。 (2018年5月25日 10時) (レス) id: b6d97b5401 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2017年1月10日 18時) (レス) id: b3fcb88642 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*咲七波*
| 作成日時：2017年1月1日 4時
