偽王子108 ページ28
.。☆。.
勝利にバッタリ出くわしてしまったのが良かったのか悪かったのか、良く分からないけれど。
滅茶苦茶になっていた私の心の叫びを吐き出させてくれたのは事実。
私が誘惑に負けてあんな…あんなキスをしてしまったこと、受け入れてしまったことは、
確かにしてはいけないことだった。
でも、勝利はそれを自然なことだと言ってくれた。
自己嫌悪と罪悪感に襲われていた私を、優しくほぐしてくれたんだ。
長い夜だったけど、それでも今、清々しい朝を迎えられているのは、
他ならぬ勝利のおかげだ。
召使いを卒業するのには、長い時間と忍耐力が必要なんだ。
失敗して、やっとわかった。
今更気が付く自分が、つくづく嫌になる。
だけど、失敗から分かることの方が多いんだ。
勝利が言ったように、失敗すればいい。何回も。
諦めないこと。
それが、きっと何よりも大切なことだ。
.
朝にしか吹かない、夏の冷たい風が私の前髪を揺らす。
それを胸いっぱいに吸い込んで、私は学校へ急いだ。
よし、テスト頑張るぞ!
「いってきまーす!」
.。☆。.
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*咲七波*(プロフ) - あこさん» 一気に読んでくださったなんて…すごく嬉しいです!これからもよろしくお願いします!! (2018年5月25日 12時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 読み始めたら止まらなくて一気に読み終わりました。続き楽しみにしてますね。黒崎くんを思い出しながらドキドキしてます。 (2018年5月25日 10時) (レス) id: b6d97b5401 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2017年1月10日 18時) (レス) id: b3fcb88642 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*咲七波* | 作成日時:2017年1月1日 4時