偽王子１０７ ページ27
.｡☆。.
ほら、やっぱり。
その長い溜息。
もう、私のことなんか。
…
「確かに、そうだし。
どうかとは思う。」
「ごめんなさい…」
「だけどさ、Aがそれ以上に必死になって頑張ってるのは伝わってるから。
それに！俺がAを嫌いになることは一生ないから安心して。笑」
その太陽みたいに明るくて優しい言葉は、私の心の影をぬぐっていくから。
視界が少し、ゆらゆらして、きらきらしてくるんだ。
「それにさ、Aは器用なタイプじゃないんだから何回でも失敗すればいいよ。
キス以外ね。笑」
「うん、」
「それで、また道からはみ出たら、俺が戻してあげる。
それが幼馴染ってもんでしょ。」
「〜〜っ！！ハグしていい？？」
「うん、笑」
久しぶりに、勝利の体に抱き着いた。
昔の記憶が少し蘇ってくる。
雷が鳴るとよく勝利に抱き着いてたよね…笑
あたたくて、陽だまりみたい。
「ありがとう、私、頑張るから。」
「うん、」
結局勝利は、いつも私の見方だ。
私が、何かに躓いたり、ぶつかったり、転ばないように、
いつだって守ってくれるんだ。
今私が元気にしていられるのって、
今まで勝利がいてくれたからだよね。
「勝利は私のヒーローだね、」
「でもさすがに次は戦闘開始するかもね、」
「わ、わかった！私もちゃんとする。自分の気持ち抑える。」
「ほんとに〜？」
「だ、だって、キスすればするほど貴重じゃなくなるでしょ？
そんなの、私も嫌だもん。」
「うん、そういうこと。
ちゃんと、大切にしてね。」
「わかった。もう、絶対に守る。」
「じゃ、俺、走ってくるから。」
「本当にありがとう。頑張ってね！」
「おやすみっ」
びゅんっと風を切って走っていく勝利の背中を、
暗闇が飲み込むまで見つめた。
.
.
明日からは、もうしっかりテストに打ち込んで、そのあとの花火に備えよう。
ここから、もう一回始めるんだ。
しっかり、一歩ずつ。
少しずつでもいいから。
まっすぐ、あなたのもとへ。
.｡☆。.
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*咲七波*(プロフ) - あこさん» 一気に読んでくださったなんて…すごく嬉しいです！これからもよろしくお願いします！！ (2018年5月25日 12時) (
レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 読み始めたら止まらなくて一気に読み終わりました。続き楽しみにしてますね。黒崎くんを思い出しながらドキドキしてます。 (2018年5月25日 10時) (レス) id: b6d97b5401 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2017年1月10日 18時) (レス) id: b3fcb88642 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*咲七波*
| 作成日時：2017年1月1日 4時
