偽王子103 ページ23
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その後はなぜか、やけに自分自身が落ち着いちゃって。
何でなのかはよく分からないけど。
あれかな、思考を停止したってやつかな。
…あは。
よく分からないけど。
いつも以上に手際よくハンバーグと簡単なサイドメニューを作って、
味付けもほぼ満足に完成させた。
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「はい!できました!!」
「…こんだけ作れるならもっと前から命令しておけばよかったな。」
妙に目をまん丸にして、私の料理たちを眺める。
「ほ、ほんとですか!?
もしよかったら、いつでも呼んでくださいっ」
ッハ…!!
これじゃ召使いまっしぐらじゃん!バカ!!!
うれしくてつい、やってしまった…
「いや、今のは忘れてください…
さ、冷めるので!食べて!はいっ」
ササッと偽王子の座る椅子を引いて、食べるように促した。
偽王子が食べている向かい側で座りながらその様子を見ていたら、
「お前も食え」って言われたので、結局一緒に夕飯を食べる流れになった。
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「ご馳走様、美味かった。」
そういう表情は何とも言えない優しさがあって、
何だか幸せそうだ。
「ああ…、ありがとうございます。」
う、嬉しくて。声が震えちゃう。
練習して、よかったなあ。
…
もし、彼氏彼女なら、もっと、楽しいのに。
幸せなのに。
ひとつ気持ちが満たされるとね、またひとつ不満が増えるの。
どうして、人間はこんなにも不器用にできてるんだろう。
今のままでも、きっと十分なのに。
でもその欲求が、私を動かしているのは確かだ。
今の私はね、このままでいいなんて、思えない。
中島くんと、一緒に幸せそうに笑ってみたいんだ。
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*咲七波*(プロフ) - あこさん» 一気に読んでくださったなんて…すごく嬉しいです!これからもよろしくお願いします!! (2018年5月25日 12時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 読み始めたら止まらなくて一気に読み終わりました。続き楽しみにしてますね。黒崎くんを思い出しながらドキドキしてます。 (2018年5月25日 10時) (レス) id: b6d97b5401 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2017年1月10日 18時) (レス) id: b3fcb88642 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*咲七波* | 作成日時:2017年1月1日 4時