偽王子92 ページ12
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「嘘やん!えっ、恋愛対象になるどころかその可能性下がったって!
…その男、どうかしてんちゃうん?」
眉毛がすごいうねり方してますけど、永瀬さん。
作戦の結果の報告をしつつ、
一緒に下校する流れになって、
今に至る。
たまたま部活オフのイケメンと放課後一緒にいるって贅沢だなって、
少し浮かれてる私はバカか。
「いや、まあ。うん、特殊な人では、ある。
からまあ、きっと普通の男子が落ちるような方法で試してもダメかも…笑」
「なんやねんそれぇ。Aちゃんどんな奴に恋してるん?」
「私も、そう思ってる。うん。あはっ。」
「どないしたらええんかなあー。」
うるさいくらい真っ青な空にため息を吐くと、
永瀬くんはあっち側にあるコンビニを指さして「避暑地、行こや」と私に向かって言った。
「イケメン永瀬の避暑地はコンビニか、笑」
「別にええやん。笑
つーか色々考えてぶっ倒れたら、意味ないやろ。」
「うん。」
ああ、イケメンって感じ。
ウィーンと開く自動ドアは、いつにもましてやる気がなさそうに見えて、
ちょっと申し訳ない。笑
その向こうから流れ込む冷気が気持ちよすぎて、
モヤモヤした気分も少しさっぱりしてくる。
コンビニは最強の避暑地ですな、永瀬くん。笑
あー、そういえば。
偽王子にばったり会ったのを思い出すなあ…
あれからちょっと距離が近づいたんだよね。
思い返してみれば、あの時はもう好きだったのかな。
なんて考えながら店内を回って、アイスを探す。
「あ、これ…」
偽王子に奢ったやつだ。笑
ビターチョコレートのアイスバー。
「おう、それにするん?」
「え、うん。」
「ほな、貸して。」
「?」
「一緒に買うから、外で待っとって!」
「え、いやいやいや。」
「いや、何?奢るなんて言うてないで。」
「あ、うん。待ってる。」
なるほど、後払いね。
おとなしくそのアイスを渡して、私は店の外に出た。
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*咲七波*(プロフ) - あこさん» 一気に読んでくださったなんて…すごく嬉しいです!これからもよろしくお願いします!! (2018年5月25日 12時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 読み始めたら止まらなくて一気に読み終わりました。続き楽しみにしてますね。黒崎くんを思い出しながらドキドキしてます。 (2018年5月25日 10時) (レス) id: b6d97b5401 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2017年1月10日 18時) (レス) id: b3fcb88642 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*咲七波* | 作成日時:2017年1月1日 4時