偽王子８１ ページ1
.｡☆。.
いろいろとあった遠足も終わって、気が付けばそろそろ学期末。
つまり、テストも近い。
ということは、そろそろ夏休み。
うーーーん。
おい、私。
華のセブンティーンなのにロンリネスサマーは辛いぞ。
真面目に。あはっ。
.
太陽の光が、葉っぱに透けて緑色にキラキラしている。
冷房管理されている教室も、
外からジージーと蝉の声が聞こえてくると何だか熱く感じてくる。
勝利にちゃんと恋するとか言っておいてさ…
勇気なんて、微塵もないもん。
どうせ夏休みなんて合唱部の鬼畜レッスンで終わるんだあ…、
机におでこを擦り付けて嘆く。
.
「Aちゃん見とると俺の元気も吸われそうなんやけど…笑」
声がした方に顔を向けると、汗が眩しく光るイケメン永瀬くん。
ったく、なんじゃい。
その爽やかさ。私に分けんしゃいよ！
隣の席がこんな男の子だと困りますわあ。
.
「ああ…、おはよ。永瀬くん。
ごめんなさいね〜〜」
「おう、なんかあったん？笑」
「どうもこうも、このざまですわ…」
「そのざまねえ…笑
ま。とりあえず笑わな、福はこーへんよっ」
永瀬くんの両手の人差し指が、私の両頬のお肉をにゅっと持ち上げる。
「んー！？もう、何すんの！笑」
そう言って笑いながら私がその手を払うと、永瀬くんも一緒に楽しそうに笑う。
どうしてこんな優しいんだろうね。
イケメンってやっぱすごいっすわ。笑
「ほら、やっぱAちゃんは笑っとったほうがええよ！」
「うん…、ありがと。」
.
――『Aは、笑顔が一番。でしょ？』
.
勝利…
私、ちゃんと恋できるのかな。
なんか、少し不安だ。
しようとして、恋はするものじゃない。
でも、そうしなかったら勝利は私を心配する。
それに、なによりもね。
偽王子に恋する勇気が足りないんだ。
報われない恋を始めるようなもんなんだもん。
惹かれてるのは、事実なのに。
一歩を踏み出せないって、こういう事だよね。
どうして、こんなにも難しいんだろう。
私も、永瀬くんとか好きになったらもっと…
とか思っちゃう私は、相当性格が悪いんだ。
ああ、もう嫌だ。
「あー！もうっ 私どうしたら…」
.｡☆。.
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*咲七波*(プロフ) - あこさん» 一気に読んでくださったなんて…すごく嬉しいです！これからもよろしくお願いします！！ (2018年5月25日 12時) (
レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 読み始めたら止まらなくて一気に読み終わりました。続き楽しみにしてますね。黒崎くんを思い出しながらドキドキしてます。 (2018年5月25日 10時) (レス) id: b6d97b5401 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2017年1月10日 18時) (レス) id: b3fcb88642 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*咲七波*
| 作成日時：2017年1月1日 4時
