偽王子の召使い

偽王子３７ ページ37

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「あ、あと1人どうする？？」


「そうだね、どうしよっか、りんちゃん。」


「あー、それなら今日休んでるんやけど、平野が入るで。」


「あ、そっか。今日休みだったね！」


「平野！？！うっわー。サルとゴリラじゃん…」


「自分で言うんか。笑」



と、岸がキャラかぶりー！っと騒いでる中、

隣で頬をほんのり赤く染めるりんちゃん。



「「よかったね、りんちゃん。」」

「「うん。どうしよう。どうにかなっちゃう。」」



いつも頼れる逞しいりんちゃんだって、恋する乙女。


それが一段と可愛いし、ますます応援したくなっちゃうんだ〜！




「「うーんっとアピールしようね！」」

「「うん。頑張る。」」



ガシっとお互いの手を結んで、微笑みあう。







あ〜！なんか楽しくなりそう。



岸…がいるのが気に入らないけど、ま、それくらい許してやるか。





楽しいことのほうが多そうな気がするし！





「じゃ、そういうことで。ほな！」


「「「おっけー！」」」





ーーーーーーー








遠足まで1週間が切った。



相変わらず、私と岸は常に騒ぎ立てていて、


風邪から復帰した平野くんにりんちゃんは釘づけ。


永瀬くんは、やっぱりいろいろと頭を悩ませているみたい。笑



偽王子の召使いも、順調です！

って言うのは、なんか変な気がするけど。まぁ。


とりあえず、問題なしです。







「A〜！私体育係だから先行ってるね！！」


「おっけ〜！」




２限は体育館で体操の授業。



一瞬で着替えると、じゃ！っと小さく呟いて、

りんちゃんは教室を駆け出して行った。





体育館履きを持って、私も体育館へ向かう。



あ〜、遠足楽しみだ〜！！

岸は置いておいて、楽しいに決まってる班員だし。


海だって、久しぶりに勝利とー…


…っは！水着！




水着買わなきゃ！！

次会ったら、りんちゃんに言おーっと。





ーーーー



うわ…、めっちゃ混んでる。




体育館前につくといっぱい人がいて、入るのが難しかったので、

裏口から入ることにした。





「おい、」



ビクッと体がすぐに反応する、この声。


後ろを向くと案の定、

私を蔑んだ目で、偽王子が見降ろしていた。





「は、はい…！？」








すると何も言わずに、超ド級悪魔は私の手を乱暴に引っ張って、





大きな倉庫の死角へと連れ出した。









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