偽王子の召使い

偽王子３３ ページ33

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「ひぇ！勝利！！？
　
　毎度毎度びっくりするから普通に現れてよ。笑」


「普通じゃない方が楽しいじゃん？」


「いや、それ勝利だけだし！」


「そう？ってか遠足だねー」


「そうそう。班どうしようかなーって考えてたの。」


「あ〜、Aと組めたらな〜」




勝利とはクラスが違うからね。残念。




「えっちょ、照れる。ふふ」


「いや、別にそういう意味じゃないんで、笑」


「うぇ〜〜！もう、バカ！

　ていうか、私飲み物買いに行くんだし！じゃあね！」





勝利に背を向けて右に進もうとしたとき、



左の手首を握られて、私の足が止まった。





「ん？何？？」



「そういう意味じゃないけど、俺さ、

　Aと一緒に海行きたい。…だめ？？」





可愛い幼馴染が、首をかしげる。

いや、もう。



断れませんよ。





「だめ…じゃ、ないよ？」


「よかった！」


「でも…、私でいいの？」


「うん、Aがいい。」


「んな！？て、照れるからやめてって！」


「だから、そういうんじゃないって言ってるじゃん。笑」


「そうだけど！そうなんだけど！！」


「じゃ、またね。」





勝手に赤くなる恥ずかしい私を置いて、勝手に教室に戻る勝利。




マイペースなのは昔から変わらない。

それに、なぜか合わせちゃう私も変わらない。



変わらないっていうのは、とても嬉しいことだ。






勝利と海か〜。うふふ。




勝利ファンの子にはごめんだけど、私も勝利と過ごしてみたいんだ！



ちょっとでも、ほら、ね、そういう雰囲気味わいたいの。




いや知ってるよ！そういうんじゃないってのは！！


あの偽王子のせいで青春を謳歌できないなんて…！絶対にダメなのです！！！






だから、今回は勝利に甘えます。笑






ありがとう。






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