偽王子の召使い

偽王子２７ ページ27

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「A！次！！玉入れだよ！！行こう！！」




「うえー…」






りんちゃんの背中を追いながら、入場門に向かう。



ふと目に入ってきた偽王子の周りには、相変わらずたくさんの女の子。




私には絶対に見せない笑顔で、しゃべり方で。





なんか、悔しい。

って、おかしいおかしい。




顔を振って、前を向くと。



「うそ…！！！？！」



段ボールを何段も重ねて持って、

前が見えない状態の男子がりんちゃんに衝突する寸前。






「りんちゃん、あぶない！！！！！」






とっさに手を伸ばして走るけど、間に合うはずもなく。









次に瞬間、私の目の前には、



悲惨な光景が広がっていた。





荷物はあたりに散らばって、運んでいた男の子はしりもちをついている。




りんちゃんは…？あれ？


茶髪の男の子に肩を抱かれて、しっかりと守られている。




「りんちゃん、大丈夫！？！」




りんちゃんの元に走って、怪我がないか確認する。





「…大丈夫だよ、平野くんが守ってくれたから。」





事故に驚いている様子のりんちゃん。



目をぱちぱちして、不思議そうに目の前にいる平野くんを見る。





「怪我ない！？あったら俺、すぐに保健室連れて行くで！？」






同じクラスの平野紫耀くん。




くりくりしたまん丸の瞳をうるうるさせて、りんちゃんを見つめる。





おしゃれに遊ばせた茶色の髪が、ふわふわと風に揺れて、


優しいラベンダーの香りが漂ってくる。








ななな、なんだこのイケメンは。








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