偽王子の召使い

偽王子２２ ページ22

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ぼーっと見ていたら、偽王子と目が合って。


ゾクッと背筋に嫌な感覚。



うう、怖い。




「なに、中島健人のファンだったけ？A、笑」


「んなわけないじゃん！！やめてよ！！」


「とかいって、写真撮りたいんじゃないのー？笑」


「もー！りんちゃんのバカ！！」




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『プログラム5番、2年生による50ｍ走です！2年生は集合して下さい！』


私にとっては、地獄のアナウンス。



「げ〜！！！やだ！やだよ！りんちゃん！！」


「ダメ！！行きます！！！」



腕を引かれて足を擦っている私は、まるで赤ん坊。


そんな私を見て笑ってくるのは、こいつだけ。




「やっほ、A。笑」


「やっほー、勝利。」


「楽しみだね、」


「嫌みか！！」


「うそうそ、俺のこと応援よろしくね！笑」


「やだよ！だって赤組じゃん！！」


「ひっど、まぁAは応援してもビリだからいっか、ありがとうございま〜す！」


「きぃ〜！！もう！りんちゃんどうにかして、こいつ！！」


「勝利くん、私は応援してるよ！」


「ありがと！」


「うっわ！！裏切り者！！」


「いいから、ほら早く！A！」


「え！？何！」





いきなり、ぐいっと勝利に腕を引っ張られて、バランスを崩した。






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