偽王子17 ページ17
※この回、小さじ1杯くらいピンクです!
.。☆。.
「始めろ」
「…失礼します。」
…それでもやっぱり躊躇して。
偽王子を見上げると、いつもとは少し違う怪しい笑みを浮かべながら私を見下ろしていた。
なんだかその表情には何かしらの毒があるのか、私が単にドⅯなのか…
この人には逆らえない、ってそう思ったら無駄な邪念を捨てることができた。
男らしいちょっと骨ばった偽王子の右手を、
両手で支えながら、まず人差し指から、少しずつ、
口にゆっくりと含んでいく。
口の中で、舌を動かして、撫でて。
口から出して、次は中指。薬指、小指。そして、親指。
いやらしい音が、周りに響いて、
頭の中に染み渡る。
「あと30秒、」
舌を大きく使って、手のひらを舐め回していく。
指と指の間の付け根も、器用に舌の先を使って、
丁寧に舐めてなぞる。
私、こんなことしゃちゃって…
でも、やるしかないの…
だって、それしかしょうがない。
「3…2…1…0…終了だ。」
私が舐めていた左手を私から冷たく離すと、
あらかじめ持っていたウェットティッシュで、その手を拭い始めた偽王子。
…汚いのはわかってるけど、ちょっと傷つく。
「どうだ?自分が誰に使えているのか、良く分かったか?」
「…よく、分かりました。」
「へぇ…今日はやけに素直だな。」
そう言うと、偽王子は私の頭を優しく撫でて、
左のツインテールに指を這わす。
いつもとは違う指先に、なんだか心臓が高鳴る。
王子に目を移すと、やっぱり整った顔で綺麗だ。
悔しいけど、超ド級悪魔が、少しづつ、王子様に見えてくる。
それは、私にとって黒い偽王子が、今ここに、
みんなの思う王子様として存在しているから。
「それで、今日呼び出した用件は…」
「ああ、…今日でお前を召使にして1ヶ月が経った。」
もう1ヶ月か。
長かったような、短かったような。
「召使いは自分の身で、主人を心から仕えていることを、
証明するあるいは、確かめる必要がある。」
さっきの左手が、スルンと私の顎を持ち上げる。
「誓いのキス、覚えてるよな?…誓いなんて時とともに薄れるだろ?
その期限が切れる前に、もう一度更新するだけ。」
えっっ!!!
も、もう1回!誓いのキス!!?!?
.。☆。.
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はるち - めっちゃ面白かったです♪これからも頑張れんれんo(^o^)o (2016年9月17日 2時) (レス) id: fb4b4f2984 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - アリサさん» 2つの仮面を持つ健人くんを楽しんでいただけているようで…満足です!これからも読んでいただければ幸いです! (2016年8月9日 18時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - 美愛凛さん» 大好きだなんて!!嬉しくて泣きます…!これからも読んでいただければ幸いです!! (2016年8月9日 18時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
美愛凛 - このお話大好きになりました。更新頑張って下さい 応援してます☆彡 (2016年8月8日 18時) (レス) id: c3ec3f50ad (このIDを非表示/違反報告)
アリサ - 読みました!王子様もドSな健人くんにもすごくドキドキしまくってました(≧∇≦)続きがとても気になります!なのでこれからも更新がんばってください! (2016年8月7日 20時) (レス) id: 36053e91d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*咲七波* | 作成日時:2016年8月3日 22時