31 ページ31
+.｡ﾟ:;｡
その瞬間から、私の涙をせき止めていた結界が解かれたように。
瞳から涙が溢れ出てきてしまった。
「優太くんがいなくなってから寂しかったよな…、悔しかったよな…」
気が付けば、金髪の腕に包まれてた。
優しく、頭を撫でられて。
…こんなの。人の温もりを全身で感じたのなんて。
いつぶりだよ。
そんなことされたら、振りほどけない。
だって、私の夢だったから。
誰でもいいから、私を抱き締めて欲しいって。
小さい頃からの、夢だったから。
もう、涙が止められなくなって。
息が苦しくて。これが、人の温かさなんだって。
恐る恐る、その背中に手を回してしまった。
夢じゃないことを、確認したかった。
「僕は、優太くんの代わりにはなれません！でも、僕は君を必要としています！！」
さっきまで優しかった声を突然張り上げて、私から離れたと思ったら。
背筋をピンとして「僕は、君と笑って残りの高校生活を楽しみたいのですッ！！」なんておかしなことを言う。
「… どうして、アンタだって…！毎日殴られるって分かってる場所に行ってたんだよ…ッ
自分の事、大切にしろよ！！
…私は行かない。
学校にはもう戻らないって決めてんの！！
生半可な気持ちで決めたわけじゃないの！！
…ッ私は、行かない。」
「… じゃあ今すぐにとは、言わないです。
でも、いつかは来てください。君なら、出来ます。
その気持ちに整理をつけて、前を向ける日が必ず来ます。
だからそれまで、僕も一緒に戦いますッ！！」
「…もう、勝手にすれば。」
なんか、すごい疲れた。
この金髪、しつこすぎる。
「はいッ！言われなくても元々勝手にさせていただいています！」
… 姿勢よく失礼なこと言うなっつーの。
舌打ちをしながら、私は救急箱を手に取って、金髪の前にもう一度座り直す。
「… 明日からはあいつ等には近づくなよ。
これ以上アンタが傷つく理由なんか無い。」
消毒液を脱脂綿に浸して、傷口に当てる。
「いだだだだッ！！！」
「… ねえ、アンタの話してよ。
アンタだけ、私の事勝手に調べ漁ってるの納得いかないんだけど。」
痛みに体を捩る金髪を真顔で見つつ、手当てを続ける。
+.｡ﾟ:;｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 465人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*咲七波*(プロフ) - すーちゃんさん» こちらも読んでくださってありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2018年12月30日 0時) (
レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
すーちゃん(プロフ) - 永瀬くんから飛んできました。たまたまglassflower聴きながら読んでたので、猛烈に泣いてます。他のお話もこれから読みます！ (2018年12月26日 23時) (レス) id: 5aca37dbd6 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - ひかるさん» 個性薄いのが個性…？笑 サラロスー！どうだろう… まだ書きたいなってだけで何もお話し浮かんでないから…わからない！＞＜ (2018年10月27日 0時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - みゅうさん» コメントありがとうございます！堕ちないんでッからこちらにまで目を通しに来てくださって本当に嬉しです…！！２を公開したので、よろしくお願いします！ (2018年10月27日 0時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - 永瀬くんには堕ちない話を読んで、作者さんのお話が好きになってこの作品も読み始めましたが、物語の作り方がとても好きです。この続きもとても楽しみにしています！ (2018年10月26日 21時) (レス) id: 5d0513a885 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：*咲七波*
| 作成日時：2018年10月3日 18時
