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「え、もしそのビジュアル案が通ったら俺、あれですか!勇者とか能力者とかなっちゃうかんじですか!?」

え、いや。まさか、そんな興味を持たれるとは。

「あ、いやあのっ、今のところ恋愛漫画の…」

「… なるほど。」

「ごめんなさい、笑」

「いやもう全ッ然いいんで、素敵な漫画作ってください。笑
 いつか読めたら最高に面白そうだなあ、」

初めて会ったのに。
彼が発する言葉は、曇りが無いっていうか。
全てすんなりと心に届くから。
そんなところも素質があるなって思う。

「どうですかね、初めて恋愛系を描こうって決めたので。
 全然自信ないし、話をどう盛り上げればいいのかさっぱりです。笑」

ぽろっと零してしまった言葉。
余計なことを言ってしまったって思ったのに。
彼は至って真面目に頷いてくれて。

「そうなんですね。うーん、実体験とかは…?」

「それが…、恥ずかしいことに。全くなくて。笑」

「えっ、でも、書こうって思ったんですよね?」

「…はい、あなたを見たら、描ける気がしました。」

彼が素直な言葉をくれるから、私も知らぬうちに素直になってしまう。
まるで、不思議な力を持った人。

「なっ、なんすかそれ!照れる…、笑」

「え、あ。ごめんなさい、」

「いや、あの、僕でよかったら協力します。
 僕の興味があるだけです。あなたの恋愛漫画読みたいなって思ったんで。
 だから、その。超変だとは思うんですけど…、」

「はい…?」

「素敵な恋愛漫画、描きたいんですよね?」

「は、はい。そのつもりです。」

「じゃあ僕と、恋しませんか。」

「は…?」

私の鈍い脳みその処理が追い付かない間に、目まぐるしく目の前の状況が変わっていく。

「だからっ、素敵な作品が書けるように体験するんです!恋を…!」

彼は私の両手を包みこんで、もう一度おかしなことを言うのだ。

「僕と、素敵な恋しませんか…?」

彼の真っ直ぐな瞳が。
私に頷いてくれと痛いほど訴えかけてくる。
だから私はとりあえず、何も考えずに。

「は、はい…」

頷いてしまったのだ。


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*咲七波*(プロフ) - Anzu1134さん» コメントありがとうございます!ゆっくりではありますが引き続き読んでくださると嬉しいです!笑 (2019年10月19日 6時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
Anzu1134(プロフ) - 更新とても楽しみにしています!  頑張ってください! なるべく早めに更新してくれるとありがたいです。 (2019年9月30日 1時) (レス) id: 68bfd8b6e0 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - あちゅぴさん» コメントありがとうございます!これからも読んでくださると嬉しいです〜! (2019年9月14日 11時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
あちゅぴ(プロフ) - このお話とても面白いです!!続きも楽しみにしていますね! (2019年9月13日 18時) (レス) id: 9024cefd53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*咲七波* | 作成日時:2019年8月23日 10時

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