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*.:・.。*
「え…、ああッ気を付けて帰れよ!」
こんな状況でさえ、そんな風に言ってくれるなんて。
やっぱり優太先生は、イイ人だよね。
「うん、ありがとう。」
.
扉を閉じて、そこに背をもたれる。
今、一人だけのその部屋で何を考えてる?後悔してる?
それとも、ドキドキしてる?
私はね、息が苦しくなってるよ。
曖昧な言葉で私をかわす優太先生は、私の首を絞めるから。
私、先生とどこまでいけるか。
試したくなっちゃった。
優太先生は、こんなワルイ子嫌いかな?
.
それから土日に入って、また月曜日がやってきて。
1日1日を大切に過ごそうと思っても、残酷にも日々はいつも同じ速さで過ぎていく。
週2の体育も、さらりと流れてしまう。
例え優太先生と私に秘密があっても、特別扱いなんかされない。
時間は平等に流れていく。
優太先生も変わらない。
他の生徒に接するように、私に接するだけ。
秘密があるのに、酷いよ。
あれだけ近づいたのに。
先生から声を掛けてくれるのを待ってるのに。
私との秘密、今からでもなかったことにしようとしてるでしょ。
だからね、少しイケナイことをしたくなったの。
朝から放課後まで、ずっと保健室で仮病しちゃうんだからね。
でも仮病じゃないくらい、気分が悪いし。元気もない。
全部、優太先生のせいだよ。
.
「Aちゃん、もうお昼だけど…
体調どんな感じ?」
保健室の先生が、カーテンから顔をのぞかせている。
若くて優しい、ヒトミ先生。
「んー、良くはならないけど…
お腹は空いた。笑」
「そっかあ。どうしようねー?
ご飯食べたら、早退したらどう?」
「熱も無いのに早退できる?笑」
「女の子は色々複雑だからね。
特に思春期はちょっとしたホルモンバランスとかで体調不良になるのよ。
…まあ、Aちゃんが決めてちょうだい。
早退するなら何かしらの理由つけてあげるから、笑」
「ヒトミ先生…、大好き。」
「あははっ、ありがとう。
…保健室はね病気と怪我のためだけにあるわけじゃないからね、」
「え?」
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*咲七波*(プロフ) - 華希さん» コメント返信遅れてごめんなさい!お話読んでくださってありがとうございました!またお待ちしてます! (2020年4月21日 17時) (レス) id: 9064239303 (このIDを非表示/違反報告)
華希 - コメント失礼します!素敵な話で、一気に読んでしまいました!ありがとうございます! (2020年3月31日 21時) (レス) id: c9cd880fe4 (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - ありがとうございます☆待ってますね(o^^o) (2018年11月29日 17時) (レス) id: 370f78961e (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - ☆pepe☆さん» いえいえ!もう少しだけ先生との禁断恋愛楽しんでいってください!笑 (2018年11月29日 16時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - 咲七波さん☆岸先生側も知りたい!って思ってました。ありがとうございます。これからも楽しみにしてますね(o^^o) (2018年11月26日 16時) (レス) id: 370f78961e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*咲七波* | 作成日時:2018年11月11日 1時