検索窓
今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:392,895 hit

26 ページ26

*.:・.。*





「Aちゃんにキスされた日は、ぶっちゃけ最悪だった。

 俺の人生めちゃめちゃにされたって、被害者ぶってた。

 だけどさ、それからAちゃんと関わっていって、強気で本気のAちゃんに圧倒されて、真っ直ぐな気持ちに影響されないはずなくて。

 遠ざけようとすればするほど自分から歩み寄っちゃっててさ。

 それにずっと戸惑ってて、気持ちに気づいてる癖して天邪鬼なことばっか言って。


 …Aちゃんを傷つけてごめん。男らしくいられなくて、本当にごめんね。」




優太先生が、眉毛を下げながら申し訳なさそうに私の頬を撫でる。

そんな気持ちでいてくれたこと、初めて知ったから。

嬉しくて、心が高鳴ってうるさいの。



「俺、Aちゃんを守らなきゃとか思っておきながらさ、結局は自分の事守りたいだけで。

 自分のことしか頭に無くて。

 Aちゃんだって自分の危険を冒してまで俺を追いかけてくれてるのに、その危険はお互いに平等なのに。


 自分は何てことしてんだって。やっと気づいたんだよ。」




優しく微笑むその奥に、そんな気持ちを抱えてくれたなんて。

先生がそう思ってくれたなら、今まで受けてきた傷も。

これから受けるであろう傷も。どうだっていいやって、思えるんだよ。


私の唇からは言葉にならない空気が漏れていくだけで。

なんて情けないんだろうって思うけど。


先生が私の両手をぎゅっと握って、見つめてくれるだけで。

安心する。




「Aちゃん、あと1年。

 卒業した後も、俺を好きでいてくれるなら。


 …それからはずっとAちゃんの傍にいるって約束する。」



「…へ?」



「って、ワルイ岸優太が言ってる。笑」



先生の唇から流れてくる言葉は、私の思考力を奪っていく。

何それ、全然。分からない。



「だから、それまでは君を守らせてって。

 イイ岸優太がお願いしてる。」





ねえ、どこまで。


どこまで優太先生は。






「… それじゃ、ダメかな。」






優しくて、イイ人なの。







*.:・.。*

27→←25



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1022 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1572人がお気に入り
設定タグ:岸優太
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

*咲七波*(プロフ) - 華希さん» コメント返信遅れてごめんなさい!お話読んでくださってありがとうございました!またお待ちしてます! (2020年4月21日 17時) (レス) id: 9064239303 (このIDを非表示/違反報告)
華希 - コメント失礼します!素敵な話で、一気に読んでしまいました!ありがとうございます! (2020年3月31日 21時) (レス) id: c9cd880fe4 (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - ありがとうございます☆待ってますね(o^^o) (2018年11月29日 17時) (レス) id: 370f78961e (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - ☆pepe☆さん» いえいえ!もう少しだけ先生との禁断恋愛楽しんでいってください!笑 (2018年11月29日 16時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - 咲七波さん☆岸先生側も知りたい!って思ってました。ありがとうございます。これからも楽しみにしてますね(o^^o) (2018年11月26日 16時) (レス) id: 370f78961e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:*咲七波* | 作成日時:2018年11月11日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。