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「でも悪い意味じゃない。
…恋する気持ちは誰に何を言われようと止められないもの。
自分がイケないことだって分かっていたって無駄でしょう。」
「うん…、そうだよね。」
「だから、自信をもって恋しなさい。」
「…バレたら、その人の人生を壊してしまう可能性もあるのに?」
「もちろん、私はあなたを応援しないし。
誰もAちゃんを応援しない。
許されないからね。何があっても。
…でも、元には戻れないんだから。
仕方がないじゃない。」
先生の温かい掌が、私の前髪を撫でる。
「自分独りで戦いなさい」と先生は私にそう言って、真っ直ぐと私を見つめた。
「たとえ大失恋をしても、大失敗をしても、それでも人生は続くんだから。
Aちゃんが逃げ出さない限り、最愛の人を失っても。
Aちゃんの命は残る。だから、またやり直せばいい。
…なーんて、教師が言うことじゃないか。笑」
「ううん、先生の言葉は誰の言葉よりも心に響いたよ。」
「そう…?じゃあ、いいか。笑」
お腹空いたねっと微笑んだ先生は、冷蔵庫にあったおにぎりを私に分けてくれて。
その後も、好きなだけここに居なさいと言って、保健室を出て授業をしにいった。
.
ヒトミ先生は人生をかけて、その身を掛けて、たった一人の男性に恋をしたんだ。
世間からみればヒトミ先生は非常識で、どこに行ったって酷い目で見られて。
でも先生は、負けなかった。
自分の気持ちに正直に生きた。
その気持ちは確かに、他人の人生を狂わして壊して残酷な結果を招いたかもしれない。
でも、どんな焼け野原になった街も大地も、いずれはまた新しい花が咲く。
先生の話を聞いて、素敵だと思ったのは。
破壊と再生に惹きつけられたから。
綺麗ごとかもしれない、いや綺麗ごとなんだろう。
だけど、いずれ綺麗に生まれ変われるなら。
どんな痛みだって、無駄じゃないって。
どれだけ苦しんでも、命があるなら。
身を焦がしたっていいだろうと、思えたの。
ねえ、やっぱり。
優太先生を忘れること何か、ありえないよ。
だから。ここに来て。
私の名前を呼んでよ。
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*咲七波*(プロフ) - 華希さん» コメント返信遅れてごめんなさい!お話読んでくださってありがとうございました!またお待ちしてます! (2020年4月21日 17時) (レス) id: 9064239303 (このIDを非表示/違反報告)
華希 - コメント失礼します!素敵な話で、一気に読んでしまいました!ありがとうございます! (2020年3月31日 21時) (レス) id: c9cd880fe4 (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - ありがとうございます☆待ってますね(o^^o) (2018年11月29日 17時) (レス) id: 370f78961e (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - ☆pepe☆さん» いえいえ!もう少しだけ先生との禁断恋愛楽しんでいってください!笑 (2018年11月29日 16時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - 咲七波さん☆岸先生側も知りたい!って思ってました。ありがとうございます。これからも楽しみにしてますね(o^^o) (2018年11月26日 16時) (レス) id: 370f78961e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*咲七波* | 作成日時:2018年11月11日 1時