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*.:・.。*
「失礼します、」
コンコンとドアを叩くと、向こう側から「はい!」っと元気な声が返ってくる。
そのままドアを引くと、夕陽に照らされる優太先生が回転椅子に座っていた。
「レポート課題、書きました。」
「おー、やっとかあ!」
どれどれと呟いた優太先生が、私の手からその紙を受け取る。
長くて細くて男らしい、大きな手。
それだけで、私はいやらしい気分になる。
なんて、先生が知ったらなんて言うか。
2人きりのこの空間に興奮しちゃってるだなんて言ったら、どんな顔するかな。
「ん、おっけい!後で読むわ!お疲れ様!」
「…あはっ、」
「え!?何??笑」
「私が遅れて出してるのにお疲れ様って、おかしいよ。笑」
「えー、そっかなー?」
悩むといつも斜め上に向ける瞳。尖がる唇。
ねえ、先生は。自分がどれだけ魅力が溢れ出てるか、気づいてないでしょ。
私の事、誘惑する癖に。
無意識で私を惹きつけるでしょ。
だからちょっと悔しい。
「ねえ、優太せんせ。」
「ん?」
「彼女、いる?」
「うぇ!?ゴホゴホッ!!はあ!?何、いきなり!」
「あはははっ、焦りすぎだってば!」
それだけ魅力的だと、誰かに恋してるからかなって。
イヤでも思っちゃうもん。
「今は仕事忙しいし、作ってる暇ねえっつの!笑」
あれ、意外と教えてくれるんだ。
「え、いないの?」
「え、逆にいるように見えたわけ?笑」
「うん。…なんか、優太先生ってさ。」
先生に一歩近づく。
「良い匂いするよね…?」
「え?」
もう一歩、足を踏み出す。
「なんの匂いだろう…、」
「そうか?」
私の気持ちになんか気づいてない先生。
自分の服の匂いを嗅いじゃってさ。
そんなんじゃないんだよ。
メスしか感じない、オスの香りなんだよ。
もう一回左足を前に出せば、優太先生の目の前。
ほら、もう私たちは手で触れ合える距離にいるよ。
ねえ、逃げなくていいの?
私、本気だよ。
*.:・.。*
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*咲七波*(プロフ) - 華希さん» コメント返信遅れてごめんなさい!お話読んでくださってありがとうございました!またお待ちしてます! (2020年4月21日 17時) (レス) id: 9064239303 (このIDを非表示/違反報告)
華希 - コメント失礼します!素敵な話で、一気に読んでしまいました!ありがとうございます! (2020年3月31日 21時) (レス) id: c9cd880fe4 (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - ありがとうございます☆待ってますね(o^^o) (2018年11月29日 17時) (レス) id: 370f78961e (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - ☆pepe☆さん» いえいえ!もう少しだけ先生との禁断恋愛楽しんでいってください!笑 (2018年11月29日 16時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - 咲七波さん☆岸先生側も知りたい!って思ってました。ありがとうございます。これからも楽しみにしてますね(o^^o) (2018年11月26日 16時) (レス) id: 370f78961e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*咲七波* | 作成日時:2018年11月11日 1時