永瀬くんには堕ちないんでッ！！【Ren.N】

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最寄り駅に着いて、夕闇に沈む帰路を歩く。








あー、よかった。真っ暗になる前に帰って来れたー。



って、それだけで満足。






色々楽しかったのに、色々あって内心色々複雑だけど。









サムのおかげでもっと真っ暗になると思っていた大学生活は、


何故かサムのおかげで明るくなり始めているのは認めざるを得なくて。









それでもやっぱりそんなサムが腹立つ。









でもま、これからはもう少しだけ。



怒らないように接しようかなって思った。









.









忙しかった今日は、これで終わると家の側まで来たとき。








気を抜いた時に限って。


人生、トラブルが起きる。









.









「A…！」









…




そんな訳ない。









聞こえる訳ない。









そう思っても、体があなたの声を覚えている。





歩きたいのに、足が前に出なくなって。







その声の持ち主の方へ、振り返ってしまった。









.









「…ッ」







「やっぱAじゃん！！えっウソ！マジか！！！元気だった！？」









変わらない、あの笑顔。





私の心をくすぐる声。









「……」



「相変わらずその嫌な顔すんのな！笑笑」









ここから居なくなりたいのに。足が動かない。









「んで。相変わらず、めっちゃ可愛い。」



「……やめ、てよ。」









今更、そんなこと言わないで。









「なあ、元気にしてた？？」



「……うん。」









「そっか、ならいいんだけど、さ。」





「……何してるの。何でいるの。」









震えている口先が、あの優太に話しかけている。









「いや、駅でAみたいな女の子見かけたから。


　久しぶりに話したいなって思ったけど。




　なかなか声かけるタイミング分からなくて。笑


　そのまま付いてきたらAの家の近くだったから。





　それで今声をかけ「今更…！今更私のこと追いかけてこないでよ！！」









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