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「バカ?何回聞いて来たって、
答えは変わらないから。
堕 ち な いッ!」
「えーッさすがに今日は堕ちた部分も
あったと思ったんやけどなー…笑」
そんな流し目で私の事を見たって、
堕ちないから。
「じゃ、もう電車くるんで。
手、離してくれる?」
「…おん、じゃあ。また!」
パッと離された手が。
何だか空っぽになったように感じる。
どれだけの時間手を繋いでいたのか。
どうして、自然と距離が縮んでしまうのか。
.
この不思議な感覚が、
優太を思い出させる。
優太を好きになるのに、
違和感なんか何にも感じずに。
恋人になることに努力なんか必要無くて。
二人とも、惹かれ合うみたいに寄り添った。
.
サムの手を拒まないのは、
その感覚にすごく近い。
だから、堕ちない。
堕ちちゃいけない。
優太の姿を重ねてしまうあなたに、
私は堕ちない。
.
ホームへの階段を下り切った後、
うしろを振り返ってみる。
それに気が付いたサムが、
私に手を振ってくる。
…
ほら、そんなとこまで似てるの。
サムに手を振り返したつもりが、
まるで優太に手を振り返してるような。
そんな気持ちになっちゃうの。
私、最悪だね。
あれだけ、忘れようって思って。
忘れたの。忘れたのに。
サムが私に近づけば近づくほど。
私がサムを受け入れれば受け入れるほど。
優太を思い出すの。
心に掛けた南京錠が錆びついて、
綻んで、壊れていく。
.
その時気が付いた。
優太は私の中で、
閉じ込めてただけなんだって。
消したんじゃない。
消したつもりだっただけ。
見えないところに、
保存してただけだったんだって。
.
分かったとき、自分が本当に嫌になって。
最悪って言葉じゃ片づけられないくらいで。
めんどくさいのは、結局いつも自分だ。
…
でも大丈夫。1回出来たんだから。
もう1回、新しいカギを掛けよう。
.
そう前向きに思ったのに。
私には、微笑んでくれないから。
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*咲七波*(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます!サラも参加でドタバタ劇が始まりました。笑 これからもよろしくお願いします!! (2018年9月19日 23時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - サムと幸せになっていく話だといーなぁと思いながら読んでたら、まさかのサラ登場とか笑 しょうれん好きにはたまらん展開になってきたっ☆引き続き2も読ませていただきます!! (2018年9月17日 23時) (携帯から) (レス) id: 075c6f1d28 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - レイチェルバナナさん» コメントありがとうございます!滅茶苦茶の関西訛りで「めっさ」って言うみたいです…! (2018年9月16日 22時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
レイチェルバナナ(プロフ) - めっさってどういう意味なんでしょうか?博多に住んでるので他の方言がよくわからないんです… (2018年9月16日 21時) (レス) id: f52ab03d28 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - ななさん» コメント、そして素敵だなんて本当にありがとうございます!サムとサラの今後ぜひ見守ってください!よろしくお願いします!笑 (2018年9月11日 21時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*咲七波* | 作成日時:2018年9月3日 0時