-φ- ページ46
*・。
そして今日の放課後。久しぶりに岸くんと2人になれた教室。
心臓が高鳴って、全身が岸くんの言う、"ドキドキしてる"感覚でいっぱいだった。
何を話せばいいのか、やっぱり分からなくて。
.
相変わらず教科書に逃げていた。
だけど、そうか。
甲子園の話をしようと思って話していたら、口から出てくるのはなぜか中島くんの事ばかりで。
初めて岸くんを怒らしてしまった。
.
岸くんが笑ってるから、大丈夫だ。
なんて、そんなの間違いだった。
笑顔だからって、関係なかった。
本当の想いは、笑顔で隠していたんだと分かったとき。
岸くんにだって、言ってもらわなくちゃ分からないんだって分かったんです。
それと同時に、腑に落ちたんです。
岸くんだって、分かっていたはずないんだって。
言わなくちゃならないんだ。私は、岸くんのために変わらなくちゃならないんだ。
もう、泣いてたらダメだ。何も前に進まない。私は、岸くんの元に追いつきたい。
引っ張ってもらうのは、もう終わりにたい。
今から、あなたの元へ走ったところで、追いつけるかなんてわからないけど。
私が生んだ間違いは、私が正す。
サヨナラなんて、したくない。
今更になって気が付いた、頭の悪い私を。
どうか、許してほしい。
そして、いつもの笑顔で。
もう一度、私に笑いかけて欲しい。
どうか、間に合って。
.
学校の中を出来るだけ探して、いつもの帰り道を走る。
息が苦しい。
もっと運動ができてたら、なんて初めて思った。
岸くん…
優しすぎるあなたは、きっと誰よりも傷つきやすい。
だから今度は、私の番だ。
人のために汗をかいてる自分は、初めてで。
どれだけ岸くんに恋をしているのか、体をもって痛感する。
息が切れて、もう倒れそうだ。
もう、諦めるしかないのでしょうか。
そう、弱音を呟いた時。
坂を下る岸くんの背中を見つけた。
嬉しくて。今すぐにでも抱き締めに行きたくて。こんな気持ちは初めてで。
.
胸が熱くなる。
大好きだった幼馴染に、想いを叫んでしまったカケルの気持ちとリンクして。
居てもたっても居られなくなった。
岸くんに、届け。
底尽きそうな体力を、振り絞った。
*・。
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*咲七波*(プロフ) - 夜木さん» 夜木さん！コメントありがとうございます泣 キュンキュンさせることが出来て嬉しいです！最後まで読んで下さってありがとうございました！ (2020年12月25日 13時) (
レス) id: 1b45d9b579 (このIDを非表示/違反報告)
夜木(プロフ) - とても今更なのですが一気に読ませて頂きました。2人ともピュアでかわいくて読んでいてキュンキュンしっぱなしでした。素敵な作品をありがとうございます！！ (2020年11月21日 22時) (レス) id: 9b6e1cc694 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - うわ、なんか読みながら泣いちゃってたわ …この話、泣く要素なさそうと思って読み始めたのに不覚やった笑 私は好きだよって言ったら、その好きは俺が言う好きと意味が違う!!って言われたんやけど( ノД`)… (2018年12月30日 1時) (携帯から) (レス) id: 075c6f1d28 (このIDを非表示/違反報告)
☆燐★(プロフ) - *咲七波*さん» はい！即刻お気にです！ (2018年9月24日 21時) (レス) id: 059af8cb76 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - ☆燐★さん» コメントありがとうございます！感動と涙を届けられてすごい嬉しいです！涙 続編もぜひ！笑 (2018年9月24日 21時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*咲七波*
| 作成日時：2018年8月18日 16時
