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*・。
岸くんが、私を好きだと言ってくれた。
カケルのような告白で、男らしく。私に手を差し伸べてくれた。
夢みたいだ、なんて言葉は好んで使わないのに。
私の感覚が、そう叫んだ。
「よろしくお願いします。」
そう言って、岸くんの手を握ったときに。
ああ、夢ではないんだとそう思ってしまうほど。
私の人生の中で、一番輝いていた瞬間だったと思う。
.
だけど、岸くんは毎日私の人生に輝きをくれた。
一緒に食べるお弁当。
こんなの初めてだった。家族以外の誰かと向き合って食事を取るなんて。
どうしたらいいのか全然分からないから。
行儀が悪いことは分かっていたけれど、毎回本を読んだり単語帳を読んだりしてごまかしてしまう。
緊張しすぎて岸くんの会話を止めてしまった日は、それはそれは罪悪感でいっぱいで。
帰り道だけは岸くんと話そうと心に決めても、話は進まずに沈黙ばかり。
それでも岸くんは笑顔で色んな話をしてくれる。それだけで胸がいっぱいだった。
そして、初めて繋いだ手。あの気持ちは、一生忘れられない。
私は一人じゃないんだと、気づかされた瞬間だった。
耳まで真っ赤にして照れている岸くんを見たら、愛おしい気持ちが溢れてきて。
岸くんはかっこ悪くてごめんって言ってたけど、そんなことある訳ない。いつだって恰好いいから。
.
プラネタリウムに一緒に行った日は、本当に最高の一日だった。
岸くんに見合うような格好で、少しは可愛いって思ってもらえるような服装で会いたかったので。
お姉ちゃんに借りた服だけど、精一杯お洒落というものをして初めて出かけた。
.
「めっちゃ、いい！その、ポニーテールも洋服も…！ずっげえ可愛い！！」
その甲斐あってか、岸くんからもいい反応を貰うことができた。
お姉ちゃん、ありがとう。
そんな私とは裏腹に。岸くんはいつも通り格好いいので。
「ありがとうございます。岸くんはいつも通りですね。」
なんて、心の声が漏れてしまって。少し恥ずかしかった。
.
その日一日で、私は岸くんをもっと好きになった。
私の独り言に頷いてくれる岸くん。
朝が早かったからか、笹山先生の講演で寝てしまう岸くん。
プラネタリウムでずっと手を繋いでくれていた岸くん。
宇宙食をプレゼントしてくれた岸くん。
そのお返しは海で夕日を一緒に観ることだって言う岸くん。
そして、初めて私を抱き締めてくれた岸くん。
*・。
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*咲七波*(プロフ) - 夜木さん» 夜木さん！コメントありがとうございます泣 キュンキュンさせることが出来て嬉しいです！最後まで読んで下さってありがとうございました！ (2020年12月25日 13時) (
レス) id: 1b45d9b579 (このIDを非表示/違反報告)
夜木(プロフ) - とても今更なのですが一気に読ませて頂きました。2人ともピュアでかわいくて読んでいてキュンキュンしっぱなしでした。素敵な作品をありがとうございます！！ (2020年11月21日 22時) (レス) id: 9b6e1cc694 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - うわ、なんか読みながら泣いちゃってたわ …この話、泣く要素なさそうと思って読み始めたのに不覚やった笑 私は好きだよって言ったら、その好きは俺が言う好きと意味が違う!!って言われたんやけど( ノД`)… (2018年12月30日 1時) (携帯から) (レス) id: 075c6f1d28 (このIDを非表示/違反報告)
☆燐★(プロフ) - *咲七波*さん» はい！即刻お気にです！ (2018年9月24日 21時) (レス) id: 059af8cb76 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - ☆燐★さん» コメントありがとうございます！感動と涙を届けられてすごい嬉しいです！涙 続編もぜひ！笑 (2018年9月24日 21時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*咲七波*
| 作成日時：2018年8月18日 16時
