教 科 書 を 閉 じ て よ ！！【Yuta.K】

-π- ページ40

*・。









中島くんとは似てることろがあるって嬉しそうなのに、







俺とは違うところが多いってこの前言ってたよね。




なら、どうして。









.









「ねえ…Aちゃんさ、俺のこと好き？」





「… 」









.









どうして。こんな時まで、無表情なの。分からないよ。






大好きなのに。それじゃ、全然分からないよ…









.









「好きって、言ってよ…！！」









.









言葉にならない想いが爆発して、自分の制御が聞かなくなった。









気がついた時には、すでに触れていた唇。




Aちゃんの、ほんのり桃色で綺麗な形の唇。









柔らかくて、気持ちが良くて。






心臓が破裂しそうなくらい、ドキドキしてる。









このまま、宇宙の塵になるんじゃないかなって。









俺は、こんな状況でだって君に心を躍らすのに。







やっぱり、好きって言ってくれないんだね。









.









ゆっくり唇を離して、Aちゃんの顔を見ると。









「…ッ」









透明な涙が、静かに滴っていた。









それを見た瞬間、どうしようもない罪悪感が湧き出て。





自分が何をしでかしてしまったのか理解した。









.









俺、最悪だ。自分の事でいっぱいになって。嫉妬に駆られて。





なんの前触れもなく、自分勝手にキスしちゃった。









…




絶対怖かったに決まってる。









こんな風に、したくなかったのに。




ずっと、丁寧に扱っていくつもりだったのに。









.









「ご、ごめん！！こんなつもりじゃなくて、ほんとごめん。ごめん。ごめん…ッ」






「…ッ」









.









俺を見つめる目から、涙が止めどなく流れていく。








俺の事、今ので嫌いになったかな。




好きとも言ってもらえてないのに、嫌われるってさ。もう最悪だよ。









俺、本当に何やってるんだろう。





Aちゃんの事、傷つけた。









こんなに、好きなのに。









.









「…ッ 俺、やっぱりAちゃんの彼氏になるべきじゃなかったんじゃないかなッ！
　



　ごめんね、今まで迷惑だったよね！別に好きじゃない奴がずっと傍でウロチョロしてさっ！！」









「岸くん…ッ」









「気にしなくていいから！


　Aちゃん、優しいから俺のこと振れなかったことくらい分かってるし！うん！！






　…だから、さよならッ！！！」









*・。

-ρ-→←-ο-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す