-ο- ページ39
*・。
って、言いたいのに。
やっぱり言えない…
「い、いや… 何でもない。」
馬鹿！！何でもない訳ないだろーがッ！！！
こんの！！救いようのないウジウジ野郎！！！
「そうですか… なんだか、岸くんと会話するの久しぶりですね。」
「う、うん、そうだね…」
１週間もまともに話してないのに。
そんな風に、軽々しく言われると。やっぱり気にしてるのは俺だけなんだなって。
寂しいって嘆いてるのは、俺だけなんだって。痛感する。
「最近色々忙しいんですけど。新しい発見が毎日あるんです。
いままで勉強してきたことが最大限に発揮できてる場所とそれを共有できる仲間がいて。
大会が楽しみです。」
「そっか…！充実してるんだね。」
やっぱり、俺が子供なだけなのかな。
Aちゃんのわくわくしてる目を見たら、なんか。
より一層自分が小さく思えて、どうしようもない感情に襲われる。
俺が大人にならなきゃって頭を冷やそうとしたけれど。
「はい。それに、中島くんが本当に良い方で。私の疑問にも親身になって一緒に考えてくれますし。
何より、お互いに一致している部分が多いと言いますか。すごく作業が捗るんです。
中島くんがいれば、優勝も夢じゃないかもしれません！でも彼は少しだけ大雑把な部分があって、
たまに驚かされるんですけど。でもそれが意外にも面白い実験結果を招くこともあるので。
本当に不思議な人です。才能なんですかねー…」
「…」
Aちゃんが、男の事でこんなに話すなんて。初めてだったから。
何て言ったらいいのか。
甲子園の作業が忙しくて、なかなか会えないのは我慢するよ。
でもさ、さすがの俺も。
いくら爽やか笑顔の中島くんでも、そんなこと言われたら優しいままじゃいられない。
「き、岸くん？」
Aちゃんが読んでいた教科書を無理やり閉じて。
握っていたシャーペンも、その手から奪う。
「ねえ、こっち見て。」
「…！」
.
Aちゃんの顎を持ち上げて。
真っ直ぐな瞳を見れば見るほど、ずっと俺だけを見ててほしいって我儘になる。
.
「中島くんの話なんか、聞きたくない。
俺は、Aちゃんの話が聞きたいよ。」
*・。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 794人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*咲七波*(プロフ) - 夜木さん» 夜木さん！コメントありがとうございます泣 キュンキュンさせることが出来て嬉しいです！最後まで読んで下さってありがとうございました！ (2020年12月25日 13時) (
レス) id: 1b45d9b579 (このIDを非表示/違反報告)
夜木(プロフ) - とても今更なのですが一気に読ませて頂きました。2人ともピュアでかわいくて読んでいてキュンキュンしっぱなしでした。素敵な作品をありがとうございます！！ (2020年11月21日 22時) (レス) id: 9b6e1cc694 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - うわ、なんか読みながら泣いちゃってたわ …この話、泣く要素なさそうと思って読み始めたのに不覚やった笑 私は好きだよって言ったら、その好きは俺が言う好きと意味が違う!!って言われたんやけど( ノД`)… (2018年12月30日 1時) (携帯から) (レス) id: 075c6f1d28 (このIDを非表示/違反報告)
☆燐★(プロフ) - *咲七波*さん» はい！即刻お気にです！ (2018年9月24日 21時) (レス) id: 059af8cb76 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - ☆燐★さん» コメントありがとうございます！感動と涙を届けられてすごい嬉しいです！涙 続編もぜひ！笑 (2018年9月24日 21時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：*咲七波*
| 作成日時：2018年8月18日 16時
