教 科 書 を 閉 じ て よ ！！【Yuta.K】

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授業が始まって、すでにバテているのにも関わらずグラウンド10周。




最悪だー…









だけどネットの向こう側で、女子たちがサッカーしてるから。









適当に走りながら、Aちゃんを探す。









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あ… いた！







いや、さすがですわ。




超真面目にボール操ろうとしてるけど、逆にボールに操られてるみたいで。









ほんと面白すぎる。






普通スポーツ苦手だと隅でたたずんでるだけだったりするのに、必死に参加するあたり。



ホントに好きだよ。









段々とAちゃんが見えなくなって、またもう１周。









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あ、次は守備してる。何か相撲取ってるみたいだな。笑







サラッと抜かれちゃっても、諦めないで相手をしっかり追いかけてるし。





ありゃ、いい選手ですわ。精神的な面で。笑









なんてほのぼの見守っていたら、次の瞬間。









両方からプレスがかかって、Aちゃんが壮大に転んだ。









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「えっ！？！」







「Aさん！？」「大丈夫！！！？」









彼女を心配する声が聞こえてくる。








は、早く行かなきゃ…！！









「オイ！！岸ッ！！どこ行くんだ！！」









なんて先生の声は俺の耳には届いてこない。





コースから飛び出て、Aちゃんの元に一直線。









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「Aちゃん、大丈夫！！？」









「えっ 岸？！」「やば、彼氏が飛んできたよ。笑」「マジ愛されてるね。」









ヒューヒューっと周りから囃し立てられる。









「う、うるせーよッ！Aちゃん保健室に連れてくから先生に言っといて！！」







はいよーっとニヤニヤしている女子たち。


なんだよ、俺が彼女助けてるところがそんなに面白いかよ。







っていうか、Aちゃんの両膝真っ赤なんだけど…！！









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「き、岸くん？」




「いいから掴まって！！」


「えっ」







「ごめん、ちょっと痛いかもしれないけど！」









Aちゃんの片腕を自分の肩にまわして、両膝の裏に腕を通す。









「よい、っしょ！」









Aちゃんを抱えて立ち上がると、また女子たちが騒ぐ。






ああ、もう。さっさと保健室行こ。









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