教 科 書 を 閉 じ て よ ！！【Yuta.K】

-Φ- ページ21

*・。









だけどさ、もう少しだけでいいから。




俺の事、考えたり、見てくれないかなあって。








思っちゃうんだよね。









頭の中じゃ、たくさん君に伝えたい言葉が溢れてくるのに。





その言葉は俺の唇にまで落ちてこないから。









俺のココロと君のココロはずっと距離があるままだからさ。







どうにかならないかなー…笑









.









「みなさんの目の前に見えている眩しい星。デネブ、アルタイル、ベガ。



　そう、夏に見ることができる有名な星座。夏の大三角です。」









あれが俺で、その隣がAちゃんで、その間の星が教科書。





なんちゃってね、笑









もし、本当にこんな満天の星をどこかの大地で寝そべってさ、



Aちゃんと見られたらどんなに綺麗かな。









そんな思いを込めて繋いでる手を少しだけギュッとした。









そしたらさ、Aちゃんも握り返してくれるから。








何だかそれだけで、幸せが溢れて。









単純すぎるな、俺。









.









.









.








「すごく良かったですね。」





「だなっ！初めて見たけどすごい気持ち良くてマジで最高だったよ！」




「いつかどこかで本物見れるといいですよね。」








「マジ！？俺も同じこと思った！！」







「そうなんですね。まあ、日本では叶いそうにないですけど。」








「そっかー…」









「じゃあ、そろそろ行きましょうか。」









「うん、」









.






その後は、午前回れなかった場所をじっくり見学して。




パイロット体験とか色んなイベントにも参加して。






小学生に交じって何でも楽しんじゃうAちゃんが最高に可愛いです。笑







.








余すことなく科学館を満喫して、気がつけば夕方で。








博物館の出口前にあるスーベニアショップで何かをじっと見つめる彼女。









「どうしたの？」





「この宇宙食が気になって。」


「え！？チーズケーキ！？」






「そうなんです。どんな味なんですかね…」



「確かに気になるね、笑」







「…いや、でもこのサイズで500円はやはり高価ですね。」









そう言うと、名残惜しそうにお店を出て行くAちゃん。








.









…そうだ、いいこと思いついた！！









*・。

-Χ-→←-Υ-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す