偽王子４８ ページ8
.｡☆。.
「はあ〜！疲れた！！笑
風磨はしゃぎ過ぎでしょ！！！」
「いや、りんには負ける。あんな鬼の顔しちゃってさ！
小学生相手にまじめに鬼ごっこするやついねぇから。笑」
「あの顔は、さすがの私も怖かった！！笑」
りんちゃんはその時の顔を再現して、私たちを追いかけてくる。
「うわ！！行くぞA！！！笑」
私の手を握って、駆け出していく先輩。
そういえば、
もう走れるようになったんだ。
走っている先輩がわたしにとっての普通だったから、
気が付かなかった。
また、選手になるのかなって嬉しくなった。
あの時は、どうなるのかなってホントに心配だったけど。
やっと３人の時計が動き始めた。
そんな風に感じたんだ。
元陸上部に引っ張られて走ると、
やっぱり風になったみたいに早くて。
香ってくる先輩の甘い匂いを全身に受ける。
「待て〜〜〜！！！！！」
ちょっと青春を感じていたら、恐ろしいあの顔をして追いかけてくるりんちゃん。
「あはっはは！！！怖い！！怖いよ〜！！！」
「やべぇ、A！！もっと急ぐぞ！！！」
夕日に照らされてコンクリートに浮かび上がる３つの影が、
私たちを追いかけてくる。
そのうち２つが、手をつないでいて。
ちょっと恥ずかしかったのは、
私だけの秘密。
迎えに来てくれたのが菊池先輩で、
本当に嬉しかったのも、私しか知らない秘密。
先輩、また笑顔で走っている姿を見ることができて、
私は本当に幸せです。
必ず応援に行くので、
もう一度あの大きなトラックで私とりんちゃんを震わせてね。
菊池先輩の手をぎゅっと握りなおしてみる。
気持ちが伝わることなんて、ないだろうけど。
言葉に出すのはまだ難しいから、
少しでも伝わればいいなって、
そう思ったんだ。
.｡☆。.
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○ - 49ページ18行目 血ナマコ→血まなこ だと思います (2019年10月11日 21時) (
レス) id: 3686d4536b (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - アリサさん» またまたコメントありがとうございます！励みにすごくなります…！これからもよろしくお願いします。 (2016年8月22日 10時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
アリサ - 読みました！健人くんにも風磨くんにもめっちゃドキドキしました（≧∇≦）主人公がいなくなってふうまくんが自然と主人公を探しに走りだしたところとかすごくきゅんときました！これからも更新頑張ってください！！ (2016年8月21日 8時) (レス) id: b08e342944 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*咲七波*
| 作成日時：2016年8月19日 23時
