偽王子60 ページ20
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岸の後を追ってバスから出ると、
マイナスイオンが広がる。
うお〜〜!!!大自然!!
360°全部みどり色!!!
息をいっぱい吸い込むと、自然と笑顔になった。
「相変わらずマヌケ面だな、笑」
声がした方を見ると、
いつも通りの悪魔顔で私を見下ろす偽王子。
「な、何か用ですか??」
いい気分を害されたので、少しぶっきらぼうに返事をしてしまった。
いけない。笑
「別にないけど」
「え、」
「俺の身にもなってみろよ。
2時間半も特にうるさいグループの女たちに囲まれてたんだからな。」
なぜ私がキレられているんだろうか。
もともとはあんたがキャラ作ってるからでしょ!!!
とは、言えないので。
「それは災難でしたね…」
「お前のその力抜けた顔を定期的に見に来ないと、
俺もやってらんねぇんだよ」
いたずらに笑うと、偽王子の細長い人差し指が私のおでこを突いた。
「ちょ…!!ど、どういう意味ですかそれ!!」
「バカだなー、お前は。息抜きってことだよ。」
「ひっ、ひどい…」
「つーか、おでこ赤くなってるけどぶつけたのか?笑」
「ふえ!?嘘!!そんなに赤くなって…!?」
ちょっと待てっと呟くと、
偽王子は自分のリュックからお弁当用の保冷剤を取り出した。
「ほら、やるよ。」
…
…??
ええええ!!!
「えっ!な!?へぇ!?」
「バカな顔してないでさっさと冷やせ」
べちんっと保冷剤をつけられて、冷たさが広がってくる。
「あ、あ、ありがとうございます…」
「自分の召使いがアホみたいなタンコブ作ってたら格好がつかないからな。笑」
それでも、これは嬉しい。
理由は相変わらずだし、憎たらしく笑ってるけど、本当にうれしい。
だって、赤くなっているのに気が付いた上に保冷剤くれるなんて…
だ、だめだめ。
考えない!無駄なことは考えない!!
私はただの召使い!それだけ!!
「それじゃあ、またあとで」と言おうとしたとき、
後ろから駆けてくるりんちゃんの声がした。
「Aー!!もうみんな集まってるってよ!!!
って……あれ??な、中島くん?」
りんちゃんを見ると、
すんっと意地悪モードの顔はどこへやらに消えて、王子様モード。
うわ…、久しぶりに見たけどこりゃエグい。
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○ - 49ページ18行目 血ナマコ→血まなこ だと思います (2019年10月11日 21時) (レス) id: 3686d4536b (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - アリサさん» またまたコメントありがとうございます!励みにすごくなります…!これからもよろしくお願いします。 (2016年8月22日 10時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
アリサ - 読みました!健人くんにも風磨くんにもめっちゃドキドキしました(≧∇≦)主人公がいなくなってふうまくんが自然と主人公を探しに走りだしたところとかすごくきゅんときました!これからも更新頑張ってください!! (2016年8月21日 8時) (レス) id: b08e342944 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*咲七波* | 作成日時:2016年8月19日 23時