偽王子の召使い-２-

偽王子５９【Y】 ページ19

Yuta side
.｡☆。.





俺、岸優太！！


ピチピチの高校２年生だ！！





今日もピチピチと外を駆け回り！


ピチピチと笑い転げて！！


ピチピチとバカ騒ぎしている！！！


しかーし！！

そんなピチピチな俺だって、悩みごとはある！！




それは、ただ一つ！！！Aってやつのことだ！！！！





控えめに言って、アイツは可愛いで有名。



「Aって知ってる？」って聞けば、

「しってる、あの可愛い子だろ？」って返ってくるくらいには有名だな。




そんなアイツに俺が頭を悩ませているのは、他でもない。





Aの前だと、

俺がおかしくなるからだ。




アイツの前だと、素直に自分を出せない。



ピチピチと自由奔放に生きているこの俺が、

こんな風になってしまうのは、どうもおかしい！！





気に食わない！！！


だから、俺はアイツのことが嫌いだ！！！！






って思っていたはずなんだ。



でも、Aを知るたび話すたび、

どんどん可愛いって思ってきて。




最初は周りの奴らがそう言ってるから、

そう思ってるだけだって言い聞かせてた。





でも、もう違うみたいだ。





もう、違う何かが、俺の中で芽生えてた。


きっと、出会ったその日から。



俺の中にある影に、小さく隠れて咲いていたんだ。







そう、俺は、Aが好き。




ピチピチにAが好きなんだ！！！






でも思いとは裏腹に、

俺の口から出てくるのは小学生のガキが言いそうなことばっか。





アイツの顔を見てりゃ分かるよ。


俺のことが嫌いなくらいね。





でも、好きって言って振られてAと話せなくなるくらいなら、

バカ騒ぎして「仲いいね！」て言われてる方が。





俺は嬉しいんだ。







だから、言わない。



ずっと、俺だけの秘密。









だから俺は今日も、

君が嫌いな"岸優太"を演じ続けるんだ。









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