可愛いっていって ページ6
時は流れて体育祭の時期がやってきた。
『影山くんは何出るの？』
「部活対抗リレーとクラスのリレーぐらい。清家さんは？」
『私は障害物競走と玉入れに出ようかなって』
『去年は負けちゃったから今年は頑張るんだ！』
「頑張れよ。」
『うん！』
『か、影山くん…？』
「あ、ご、ごめん！」
笑顔で話す小さな清家さんがとても可愛くて愛おしくて
気づいたら頭を撫でていた。
『ど、どうしたの？』
「いや、なんか気づいたら撫でてた。」
目を合わせるのが恥ずかしくて目をそらしてしまった。
清家さんの方を見ると清家さんも顔が赤かった。
『…どうして？』
「…………その、可愛かったから。」
『……っ！』
清家さんの顔がもっと赤くなった。
『も、もう一回言って。』
「は？」
まさかそんな事言われるとは思っていなくて驚いた。
「な、なんでだよ」
『いいから！』
清家さんは俺の制服のシャツの裾を掴んで言った。
「…清家さんは可愛い」
『もう一回』
「…可愛い。」
『もう一回』
「かわいい。」
最後は清家さんの目を見て言った。
そしたら清家さんは嬉しそうにに笑った。
その笑顔が可愛くて目を離せなくなった。
『か、影山くんもかっこいいよ。』
「え、あ」
『じゃっじゃあね！』
突然の事に驚いてちゃんと返事できずにいると清家さんは
走ってどこかへ行ってしまった。
「なんだよ…」
そのままその場で熱い顔を隠すようにしゃがんだ。
感情が混ざり合ってよく分からない。
「…あー」
悶えた。
「影山ーなにしてんの？」
「んあ？日向かよ。」
「影山？！顔真っ赤だぞ？！」
「うるせえ…」
「え！！あの影山が静かだ！」
「うっさいボケェ！！」
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作者名：ななみ | 作成日時：2023年7月2日 15時
