青城のマネってなんか強。【ハイキュー】 (ページ45)

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国見「Aさん。」

準備をしていると国見が話しかけてきた。

『どした？』

国見「なんかあったんですか。』

『・・・ないよ』

国見「うそ、Aさんが口ごもるなんておかしいです。」

『なんでわかんの』

国見「俺Aさんのこといつも見てますから。Aさんが好きなんで。」

『・・・うっさい』

いっそ国見に聞いてみようか。
国見は私のこと好きだと言ってくれている。だから私よりは好きをわかっているはずだ。

『ねえ国見』

国見「なんですか。」

『好きってなに？』

国見は目を見開いた。

国見「まさかAさんにそんなこと聞かれるなんて」

『私も、こんなこと聞くなんて思ってなかった。』

国見は少し間をおいてから話し始めた。

国見「俺はAさんのことふと好きだって思いました。」

『え、それほんと？』

国見「ほんとですよ。好きっていうのは形もないし不安定であやふやなものなんです。」

国見は乾いた声で笑った。

国見「人を好きになるとその人を目で追っていたり喋れただけで嬉しくなったりその人のことばっかり考えてたり。色々あるんですよ。」

『そっか』

よく考えてみると。私は及川さんを見つけるとすぐ話しかけに行っていた。
私はいつも及川さんにはドライな態度を取っていたがほんとうは私に話しかけてくれるのが
とても嬉しかった。

そしてなにより及川さんといる時間はとても楽しかった。

これは認めざるを得ないのかー・・・？

国見「誰なんですか。」

『なにが？』

国見「Aさんが好きな人。」

こんな事を言うなんて私もどうかしちゃったな。

『及川さん。』

国見は悲しそうな顔をした。

国見「俺じゃだめですか？」

国見「俺Aさんのこと大好き。だから俺の隣りにいてほしい。」

悲しそうな声だった。私に懇願するような声。

『私は及川さんが好きだから。ごめんね』

国見「・・・そう、ですか。」

しばらく沈黙が続いた。

国見「でも、俺Aさんのこと諦めませんから。及川さんのこと好きじゃなくなったら俺の隣が空いてますから。いつでも来てくれていいですよ。」

『・・・うん。ありがとう。』

国見のことは好きだ。
だけど及川さんのことはもっと好き。

これが好きなんだ。
心につっかえていた何かが取れた気がした。