１９２話 開幕 ページ17
いづみside
千秋楽が始まる。
いづみ｢ただ今より雪組旗揚げ公演・輝く世界の隅っこで、を上演致します。｣
緊張の雰囲気の中、幕が上がる。
ことり｢運命は、二人の幼なじみが出会う瞬間から回り始めていた...｣
！
客１｢あの子、前より上手くなってる...！？｣
客２｢ほんとに...
なんか今、鳥肌たった.....｣
すごい。
きっとことりちゃんは
ことり(楽しい...！)
楽しんでるんだ。
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沙友理side
沙友理｢ごめん、リン。｣
楓華｢...いやよ。｣
いつの間にか同じスター女優となっていたリン。
彼女に悪魔に魂を売ったことを伝える。
...自分は卑怯な手を使って、同じ地位に並んだ。
軽蔑されるかもしれない、と不安になる心理を演じる。
沙友理｢......わかっ｣
楓華｢カレンが悪魔から魂を取り戻すまで私、許さないから！｣
ふーこの泣きの演技。
やっぱ上手い。
ふーこは楽しそう。
楓華｢取り戻してよ！
カレンはユリナちゃんが大切かもしれないけど...
私はカレンが大切なんだから！！｣
お客さんが鼻をすする音が聞こえる。
ふーこはほんとに楽しそう。
なにより、私も楽しい。
こんな最高の舞台に立てたことが嬉しい。
ありがとう。
今日わかった。
たとえ記憶を失っても、私はあんたと演じてたいんだよ、ふーこ。
楓華｢ぜったい...
ぜったい、取り戻して...｣
ふーこの声が小さくなっていく。
幕が下り始める。
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作者名：エリー | 作成日時：2018年5月31日 5時
