今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:601 hit
小|中|大
5. 物質が有るのなら。 ページ5
_
「………本当に、ですか?」
太宰の返事に少女は、先程とは違い、"人間味"のある怪訝そうな雰囲気で返した。
「う、うん…」
少女の言葉にひとつ頷く太宰。
そんな太宰を少女は黙った侭、見据え続けていた。
太宰は何だか酔いが回り始めているのか、それとも腦味噌が遣られ掛けているのか。
将又、仕事疲れなのか。
これと云って思い当たる節はないのか。
善く判らないが、思考がまるで回らないかの如く、
少女に就いて考えれば考える程に記憶から抜け落ちてゆく感覚。と云うのを覚えたのである。
「───では一つ、だけ。」
少女はゆったりとした風貌で微笑み、太宰の耳許でこう囁いた。
────"星が綺麗ですね。"
たった一言、少女はそう太宰に告げ、消えたのが三週間前の出来事であった。
_
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
2人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:七海@返事・更新頗る滞ります | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nanamikinn1/
作成日時:2020年5月10日 14時