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5. 物質が有るのなら。 ページ5

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「………本当に、ですか?」





太宰の返事に少女は、先程とは違い、"人間味"のある怪訝そうな雰囲気で返した。





「う、うん…」





少女の言葉にひとつ頷く太宰。




そんな太宰を少女は黙った侭、見据え続けていた。



太宰は何だか酔いが回り始めているのか、それとも腦味噌が遣られ掛けているのか。



将又、仕事疲れなのか。




これと云って思い当たる節はないのか。




善く判らないが、思考がまるで回らないかの如く、





少女に就いて考えれば考える程に記憶から抜け落ちてゆく感覚。と云うのを覚えたのである。






「───では一つ、だけ。」






少女はゆったりとした風貌で微笑み、太宰の耳許でこう囁いた。






────"星が綺麗ですね。"






たった一言、少女はそう太宰に告げ、消えたのが三週間前の出来事であった。









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6. それは故意。→←4. 奇跡と云ふ。



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作者名:七海@返事・更新頗る滞ります | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nanamikinn1/  
作成日時:2020年5月10日 14時

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