帰りついた場所 01 ページ13
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白雪姫との別れのあと
誰に見咎められることなく
お妃さまはお城へと戻られました
「圭人…」
王宮の中庭でマントを外したお妃さまが
右手の中指にはめた指輪に
口付けを落とします
それはあの狩人が残していった
二人の絆を示す指輪でした
「こんなことに使って…ごめん…」
指輪に隠された魔法は
“一定の範囲を見えなくする”もの
大切な主を守るため
特別な従者に与えられた魔法が
この日のお妃さまを隠し抜きました
「お前は俺のこと…
救おうとしてくれたのに…」
いま、この時
お妃さまには
圭人がなぜ白雪姫を殺めなかったのか
その理由がはっきりとわかっていました
たとえその行動の根元が愛に依るものでも
他人を傷つければ人は傷付く
どんなに己を正当化したくとも
罪の意識に苛まれて、できない
ましてやそれが
慈しんできた娘ならなおさら…
「こんな痛みを…
俺に与えないために、お前は…」
狩人として
動物を殺め続けて来たからこそ
圭人はこの痛みを知っていたのでしょう
自分の知る苦しみ
そしてその他のすべての苦しみから
圭人は俺を守ろうとしてくれていた…
はぁ…
小さなため息のあと
お妃さまは指輪にむかって
密やかに呪文を唱えます
それと同時に
彼女を包んでいた薄い紗のような魔法の幕が
消えていきました
「……寒い、な…」
月明かりが照らし出します
目立たぬように黒いドレスをまとった姿は
まるで夜の妖精のようでした
「いのちゃん…」
王宮の中庭では
シロツメクサが盛りを迎え
白い絨毯のように拡がっています
それが姫ぎみのドレスを思わせ
お妃さまは涙をこぼされました
「ごめんね…」
疑うことを知らぬ
清らかな心の持ち主だった白雪姫
その純粋さにつけこんで
彼女の命を奪った自分
「世界で一番きれいなのは…
俺じゃなかったよ…」
あの純粋な心が
人を疑うことを知らない瞳が
世界で最も美しいもの
憎しみに曇った俺の姿なんて
あの美しさと比べるのもおこがましい
「それでも…」
美しい、と言われたかった
嘘でもいいから
愛する人の目を独占したかった
「一瞬でもいいから…
あの瞳に愛されたかったんだ…」
そう言って崩れ落ち
ハラハラと
透き通った滴を溢れさせるお妃さまは
この世の何より美しい
“恋する女性”そのものでありました
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ぐるぐる(プロフ) - はぁぁぁ…山田くん幸せになれてよかった！大貴と一緒ならこれから先幸せに暮らせますよね？？残されて王様が心配です…続きにハラハラドキドキがたまりません！ (2019年10月8日 7時) (
レス) id: b11125461f (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - tomo0614qpさん» うんうんうん、ひかいのはお似合いなのです！夢と希望とロマンと萌えがたっぷり！いーよねぇ、ひかいの…ハッ！うっとりしすぎた…すいません！次もよろしくです！ (2019年9月23日 8時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - けーままさん» へっへー、かわいいカップルですよねー♪ひかいの大好きなので、二人には速くイチャイチャしてほしいです。つぎは４章、よろしくー！ (2019年9月23日 8時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - みるみるみるきーさん» 最近ゆといの推しのひと、多いねぇ。でもあたしはひかいのなのさっ。時代に逆らってでも推しカプを書くぞ！(笑) (2019年9月23日 8時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - shootingstarhapさん» 予想当たりましたかー！よかったです♪そして第４章が出来上がりましたので、お時間ある時見にきてくださいね。よろしくー！ (2019年9月23日 8時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らな
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/isut/ano/
作成日時：2016年10月15日 6時
