初恋の行方 ーyb×inー

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　意味がわからない、って首をかしげてる顔はまだまだ高校生。

　ナイト気取ってるけど中身は子供だな。
　そんなことじゃお姫さまたちは守れないぞ、山田。




「あれ？伊野尾ちゃんから聞いてないか？俺がワールドカップのサポーターやってるの。」

「はい？え？そうなんですか？」

「はは、認知度低いなぁ。もう少し頑張らないとかな？」

「や、すいません！俺あんまテレビ観なくて…」

「いいよいいよ。とにかくさ、月末の対談ってロレンツォ監督との対談なんだよ。」

「えええ！ロレンツォ監督ってあの！？」




　おお、山田。
　案外チョロいな。

　サッカー絡むと即お目々キラキラかよ。



「そう。あの、ロレンツォ監督。来月ある親善試合に備えて来日するから、宣伝のためにサポーターの俺と対談ってわけ。」

「す、すげぇ…」

「すげぇだろ？んで、対談のあとはチームの練習風景も撮影するからその見学もできたりするぞ？」

「みっ、見たいです！」

「言うと思った。いいよ。山田くんのぶんもパスもらえるように手配しておく。」

「ありがとうございます！よろしくお願いしますっ！」



　手配しておく、なんて言ったけど実はとっくに話を通してある。
　なんせ約束してからダメだったなんて言えば評価は駄々下がりだからな。

　にしても…

　すっかり尊敬の眼差ししやがって。
　ほんとにチョロいぞ、山田涼介。




「よし。じゃあそれぞれ打ち合わせもあるしLINE繋げとこうぜ。QRコードでいいか？」

「えーと、どうやるんだっけー？」

「こっち押して、こうだって。」

「え？あ、これかー。」



　知念ちゃんと山田からスタンプが来て、めでたく開通。

　さて、ここで終わっちゃ意味がない。



「ついでと言ったらなんだけど伊野尾ちゃんも繋げておかないか？そうすればグループLINEもできるから。」

「……え？」

「また撮影の見学案内できるときあるかもしれないし、その時四人で話せた方が便利じゃない？」

「あ、えっと……はい。じゃあ私のもお願いします…」




　よっしゃあ！

　にしても伊野尾ちゃん、こんだけ一緒に過ごしてるのにまだ俺と話すのに顔赤くしてるとか……可愛いな。




「ん、登録OK。じゃあ次からはこれで連絡するよ。」

「よろしくお願いしまーす。」




　狙い通りの結果だ。

　たっかい肉奢った甲斐があったぜ。





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